天照と須佐之男② アマテラスとスサオノの誓約

【神社の神様の神話】天照と須佐之男の誓約
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前回、イザナギ母さんのところへ行きたいと、泣いてばかりいた須佐之男命(スサノオ)

ブチ切れた伊邪那岐(イザナギ)父さんに、とうとう追放されてしまいました。

しかし、まだまだスサノオの問題児っぷりは終わりません。

今度は高天原にいる天照(アマテラス)姉ちゃんと、ひと悶着起こすことになるんです・・・

前のお話:天照とスサノオ① 泣いてばかりいるスサノオ

スサノオ、アマテラス姉ちゃんに会いに行く

イザナギ父さんから追放されたスサノオ、

 

スサノオ「よし、イザナミ母さんのいる根堅洲国(ねのかたすくに)へ行こう!」

スサノオ「でもその前に、アマテラス姉ちゃんに挨拶していこうっと。」

 

こうしてスサノオは、天界 高天原(たかまのはら)へと向かったのですが・・・

スサノオが歩くだけで、山や川が揺れに揺れ、国土全体が激しい振動に襲われたんです。

その音を聞いたアマテラスは超びっくり!!

 

アマテラス「スサノオのやつ、天界を奪おうとしてるのね!」

 

アマテラスは、スサノオを迎え討とうと完全武装開始!

髪をほどいて「みづら」に束ねると、髪と左右の手に勾玉をたくさん連ねた玉緒を巻き付けた。

【神社の神様の神話】アマテラスとスサノオ

 

さらに、矢が1000本入った矢筒を背負い、脇にも500本入りの矢筒を抱え、

肘には防具をつけて弓を構えると、両足が大地にめり込むほど強く踏みしめた!

 

神社の神様の神話】アマテラスとスサノオの誓約

そしてほとばしる、アマテラスの絶叫!

 

アマテラス「何しに上がってきたー!?」

スサノオ「違うよねーちゃん、邪心なんてないよ。挨拶しに来ただけだよ!」

 

スサノオは今までのいきさつを話し、根堅洲国へ向かう前に挨拶に来ただけだと釈明しました。

でも、アマテラスはなかなか信じてくれません・・・

 

アマテラス「あんたの言ってることが本当だって、どうしてわかる!?」

スサノオ「じゃあ、お互い誓約(うけい)をして子神を産もうよ。」

 

誓約(うけい)とは、あらかじめ決めた通りの結果が出るかどうかで、吉凶を判断する占いのこと。

神様同士がものごとの白黒をつける手段として、誓約のシーンが時々出てきます。

 

アマテラスとスサノオの誓約(うけい)

こうして、アマテラスとスサノオは誓約をすることになりました。

両者は天安河(あめのやすかわ:天界の川)の両岸に立って向かい合います。

 

【神社の神様の神話】天照とスサノオの誓約

本当は、最初に誓約の勝利条件を決めるのですが、この時は何故かそれを決めないまま誓約が始まりました。

 

三柱の女神の誕生

先ずはアマテラスの番。

アマテラスはスサノオの十束剣(とつかのつるぎ)を3つに折って、井戸水ですすぎました。【神社の神様の神話】天照とスサノオの誓約そして剣を噛みに噛んで吹き出した息の霧から、三柱の女神が生まれました。

 

長女
多紀理毘売命

(タキリヒメノミコト)
別名 奥津嶋比売命
(オキツシマヒメノミコト)

次女
市寸嶋比売命

(イチキシマヒメノミコト)
別名 狭依毘売命
(サヨリビメノミコト)

三女
多岐都比売命

(タキツヒメノミコト)

 

この三柱の女神は、福岡県宗像市の宗像大社にお祀りされており、宗像三女神(むなかたさんじょしん)と呼ばれています。

ちなみに、タキリヒメはのちに大国主大神の妻となります。

また、イチキシマヒメは弁天様と同一視されています。

 

五柱の男神たち

今度はスサノオの番です。

スサノオは、アマテラスの勾玉の玉緒を受け取ると、井戸水ですすぎました。

【神社の神様の神話】天照とスサノオの誓約そして噛みに噛んで吹き出した息の霧から、五柱の男神が生まれました。

 

左のミズラの玉緒から生まれた神様

正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命
(マサカツ アカツ カチハヤヒ アメノオシホミミノミコト)

 

天孫降臨の神話の ニニギの父親

参考:天之忍穂耳命 (アメノオシホミミ) の神話とご利益

右のミズラの玉緒から生まれた神様

天之菩卑能命
(アメノホヒノミコト)

 

国譲りの神話に登場。大国主の家来になる。

参考:神社の神様 天穂日命(アメノホヒノミコト)の神話とご利益

かずら(頭の飾り)の玉緒から生まれた神様

天津日子根命
(アマツヒコネノミコト)

左手の玉緒から生まれた神様

活津日子根命
(イクツヒコネノミコト)

右手の玉緒から生まれた神様

熊野久須毘命
(クマノクスビノミコト)

 

古事記では、ここで「この神はだれだれの祖神・・・」という表記が長々と続きます。

つまり、「●●さんは神の子孫」と言っているわけです。

大和朝廷に縁のある有力者について、血筋の正統性をうたったんでしょうか。

まあ、この辺はカットします・・・

 

スサノオの勝利宣言!

誓約のあと、アマテラスはこう言いました。

 

アマテラス「男神は、わたしの玉緒から生まれたから私の子。」

アマテラス「女神は、あなたの剣から生まれたからあなたの子ね。」

 

あれ?

たしか、先に誓約の勝利条件を決めていませんでしたよね。

これではどっちが勝ったのか判りません・・・

 

その時です。

 

スサノオ「俺の心が清らかで明るいから、優しい女神が生まれたんだよ。」

スサノオ「この誓約は俺の勝ちだ!」

 

スサノオはそう言って、アマテラスを押し切ってしまいました。

 

しかし・・・

誓約の勝利でハッチャケてしまうスサノオ。

この後、高天原はとんだ大騒ぎに・・・

どうする、アマテラス!?

つづく

次の話:天照と須佐之男③ 調子にのって暴れるスサノオ

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