日本神話に出てくる神様の中で、ダントツに有名なのが 天照大御神（あまてらすおおみかみ）。
日本の最高神と言われている天照大御神（アマテラス）ですが、
神話を読んでみると、なかなか面白い性格の神様なんです。
たとえば、兄弟ゲンカしたり、疲れて引きこもりになったり、国津神の繁栄を妬んだり・・・
いったいアマテラスとはどんな神様なのか？
その神話を中心に、神社やご利益などもご紹介します！
天照大御神（アマテラス）はスサノオのお姉ちゃん
アマテラスが生まれたのは、あのイザナギとイザナミの神生みの神話。
イザナギが河で体を洗い清めている際、左目を洗った時に生まれてきました。
ちなみに、右目を洗った時に月読命（つくよみ）、鼻を洗った時に須佐之男命（スサノオ）が生まれました。
アマテラスとツクヨミとスサノオは兄弟なんです（三貴子：みはしらのうずこ）。
イザナギは、「最後にとっても貴い神が生まれた～」と喜び、
アマテラスには高天原を、ツクヨミには夜の世界を、そしてスサノオには海原を統治するように命じました。
この部分の神話：イザナギの禊ぎから生まれた神様たち
アマテラスはスサノオと戦おうとした
アマテラスはイザナギの命令通り、天に昇って高天原を統治していました。
そんなある日のこと・・・
スサノオがドスンドスンと大地を揺るがしながら、高天原にやってきたんです。
これにはアマテラスもびっくり！
アマテラス「弟はきっと高天原を奪うために来たんだわ！」
そう言うと、完全武装でスサノオを待ち受けました。
そして戦いは・・・
起きませんでした。
結論だけ言うと、アマテラスの誤解だったんです。
スサノオはただ姉に挨拶しに来ただけ・・・
まあ、誓約（うけい）やったり、スッタモンダあったのですが・・・
結局アマテラスはスサノオに高天原へ入ることを許しました。
誓約とは？：天照と須佐之男② アマテラスとスサオノの誓約
アマテラスは引きこもりになったことがある
ところが、調子に乗ったスサノオは、なぜか高天原で乱暴を始めます。
アマテラスの田んぼをぐちゃぐちゃにしたり、神殿にウンチをまき散らしたり・・・
「悪ガキのイタズラ」って感じなんですが、それをスサノオがやるともう大変。
高天原は大騒ぎになりました・・・
アマテラスは、何度もスサノオをかばっていたのですが・・・
とうとう悲劇が起こりました。
それは、スサノオが皮をはいだ馬を、機織り小屋に投げ込んだ時のこと。
ひとりの機織り女が死んでしまったのです・・・
心の糸がぷっつり切れてしまったアマテラス。
天の岩戸の内に引きこもってしまいました・・・
この部分の神話：天照と須佐之男③ 調子にのって暴れるスサノオ
アマテラスは騙されて引き出される
アマテラスが天の岩戸に引きこもったせいで、もう大変・・・！
世界は闇に閉ざされ、あらゆる災厄が起き、邪神の声であふれました・・・
困った八百万の神様たちは、集まって相談します。
そして出た結論がこれ。
「お祭りやろうぜ！」
八百万の神様たちの立てた計画、「お祭り作戦」とはこんな感じ。
天の岩戸の前で盛大なお祭り騒ぎやってさ、アマテラスが「なんだろな・・・？」って戸を開けたら、外に引きずり出せばいいじゃん！
早速みんなで準備を万端に整えてお祭り開始！
ニワトリに「コケコッコー」と鳴かせたり、
占いショーやったり、
祝詞（のりと）でアマテラスのことを誉めまくったり。
そしてメインイベントは、天界の踊り子 天宇受売神（アメノウズメ）のダンスショー！
桶を逆さまにした台の上で踊りまくります。
祭り会場は、やんややんやの大盛り上がり！
そして調子に乗ったウズメは、ストリップまで始めちゃいました。
わっはははは～！
外のにぎやかな様子を不思議に思ったアマテラス。
ちょっとだけ岩戸を開けてこう聞きます。
アマテラス「私が引きこもってるのに、なんでみんな楽しそうなの？」
ウズメ「あなたよりも高貴な神様がいるの！それが嬉しくて踊ってるの！」
その時、アマテラスにこっそりと鏡が向けられました。
光り輝く鏡をみたアマテラス。
自分が映っているだけなのですが、それに気づきません。
アマテラス「えっ・・・ ほかの太陽神がいる・・・」
そして、アマテラスが岩戸をさらに開けたその時です！
脇に隠れていた力自慢の神様が、アマテラスの手を掴んで引っ張り出してしまいました！
お祭り作戦大成功！
この部分の神話：天照と須佐之男④ 天の岩戸に引きこもったアマテラス
天照大御神は弟の月読命（つくよみ）と仲が悪い
これは日本書紀の神話から。
アマテラスと弟の月読命（つくよみ）は、あることが原因で喧嘩別れしてるんです。
それはこんなお話・・・
日本書紀の神話では、アマテラスと一緒に高天原に昇った月読命（つくよみ）。
ある日のこと。
アマテラスからの命により、地上界に住む食物神 大気津比売神（オオゲツヒメ）のところへやって来ました。
オオゲツヒメは、月読命を豪華な料理で歓待するのですが・・・
ゲロゲロゲロ～！
すごい音が響きます・・・
なんとオオゲツヒメは、自分の口から料理を出していたのです！
「そんなの食えるか～！」
怒った月読命は、オオゲツヒメを切り殺してしまいました。
そのことを聞いたアマテラス。
アマテラス「ツクヨミはなんてひどい神なの！！」
ツクヨミ「ゲロ料理なんて食えるかボケ！」
アマテラス「まあっ！もう顔も見たくない！」
ツクヨミ「ふ～ん、あっそう！」
なんて喧嘩があったとか、なかったとか・・・
どちらにしても、アマテラスとツクヨミの関係は、完全に決裂してしまいました・・・
それ以降、昼と夜は別々になったのでした。
アマテラスは地上界の繁栄を妬む
時は移って国譲りの神話の頃。
地上界 葦原の中つ国は、大国主大神の下に大繁栄しています。
そして、それを良く思わない者がいたのです。
アマテラスです・・・
アマテラス「 地上界は、私の両親のイザナギとイザナミが作ったものなのに～！！」
アマテラス「そうよ！地上界は私の息子のオシホミミが治めるべきなのよ！」
ということで、長男のオシホミミを地上界へ派遣するのですが、
「地上界には怖い国津神が沢山いるよ…」と言って、途中で引き返してきました・・・
その後、国を譲らせるために使者を送るのですが、何度も失敗してしまいます。
こうして、国譲りは実に11年以上もかかって達成されたのでした。
アマテラスって、自分の息子に恵まれてなかったんでしょうかねえ・・・
この部分の神話：国譲り神話① 奪え地上界！天照大神の策略
天照大御神（アマテラス）の神格やご利益
アマテラスの別称
- 天照大神（あまてらすおおかみ）
- 天照皇大神（あまてらすすめおかみ）
- お伊勢様
- 神明様 など
アマテラスの神格
- 太陽神
- 高天原の主神
- 皇祖神
- 日本の総氏神
アマテラスご利益（神徳）
最高神であり、日本の総氏神である天照大御神は、あらゆる神徳を持つ神様と言われています。
天照大御神をお祀りする神社
伊勢神宮(三重県伊勢市)
日向大神宮（京都市山科区）
東京大神宮（東京都千代田区）
「伊勢」という名のつく神社、「天祖」、「神明」という名のつく神社にもお祀りされています。
また、天照大御神は日本の総氏神様なので、全国の大小たくさんの神社で合祀されています。
