経津主神（フツヌシノカミ）は地上界を奪還した武神

国生みを終え、神生みの真っ最中のイザナギとイザナミ。

ある日、運命の日がやってきます・・・  

イザナミが火の神　火之迦具土神(ヒノカグツチ）を生んだ時でした。  

「ぎゃあ～～～！！！」  

イザナミの大絶叫がほとばしりました。

なんと、イザナミはヒノカグツチのせいで、陰部を大火傷しちゃったんです。

イザナミは苦しんだ末に死んでしまいます・・・

悲しみのどん底のイザナギは、怒りのあまりヒノカグツチを切り殺してしまいました。

その時ヒノカグツチの血や死体から、神様がたくさん生まれたのです。

そのうちの二柱、磐裂神（いわさくのかみ）と根裂神（ねさくのかみ）が、経津主神の祖父母なんです。  

地上界 葦原の中つ国（アシハラノナカツクニ）は、出雲の国津神 大国主大神の支配のもと繁栄していました。  

それを良しとしなかったのが、天界 高天の原(タカマノハラ）の重鎮 タカミムスビ。

かわいい孫のニニギを、地上界の統治者にしようと企みます。

ニニギは、アマテラスの長男とタカミムスビの娘の間にできた子供です。

あの天孫降臨の神話の主人公ですね。

でも、地上界には荒ぶる神がたくさん・・・

草木だっておしゃべりしちゃう、とても恐ろしいところです。

そこで、タカミムスビは皆に相談し、使者を送ることになりました。

ここからが苦労の連続だったんです・・・  

だって、使者がねえ・・・

しびれを切らしたタカミムスビ、また神様たちと相談します。  

タカミムスビ「いったい誰を送ったら上手くいくの！？」

神々「それならフツヌシがいいですじゃ！」

神々「お～、フツヌシがいい！」  

そう、みんなが推薦したのが、天界一の武神 経津主神だったのです！

フツヌシは、自ら志願した建御雷神（タケミカヅチ）と一緒に、ふたりで地上界へ向かったのでした。  

地上界に降りたフツヌシとタケミカヅチは、オオクニヌシに国譲りを迫ります。

でも、オオクニヌシはのらりくらり・・・  

オオクニヌシ「息子の事代主神（コトシロヌシ）に訊いてみないと・・・。」  

ところが、肝心のコトシロヌシが武神に怯えてしまい、国譲りを了承して去ってしまいました。

フツとタケ「息子さんOKしたけど？」

オオクニヌシ「わかりましたよ～。私もここを去りますよ・・・」  

という訳で、国譲りがとうとう成功したのです。

フツヌシとタケミカヅチは、これに従わない他の神々をやっつけた後、高天の原に戻ったのでした。

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