火を司る神様 火之迦具土神（ひのかぐつち）。
古事記の神話ではほとんど登場しませんが、名前だけはよく聞きます。
小説やゲームなどでよく使われる名前ですからね。
この火之迦具土神、実際のところどんな神様だったんでしょうか？
まずは神話からご紹介！
火之迦具土神（ひのかぐつち）の神話
火之迦具土神が登場するのは、伊邪那岐（イザナギ）と伊邪那美（イザナミ）の神生みの神話。
幸せだったイザナギとイザナミ夫婦に、大きな不幸をもたらします。
神話はこんな感じ・・・
高天原の偉い神様たちの指示で、地上界に降りて国生みを行なったイザナギとイザナミ。
日本の国土は順調に出来上がり、次に神様を産み始めます（神生み）。
夫婦はどんどん子を産んでいくのですが、
ある日のこと、悲劇が起こってしまいます・・・
それは、イザナミが火の神 火之迦具土神（ヒノカグツチ）を生んだ時のことでした。
ぎゃ～～～！！
イザナミの絶叫がほとばしりました！
燃え盛る赤子を産んだため、陰部を大火傷してしまったのです！
火傷はとっても酷く、瀕死の重傷でした。
イザナミは病床でもだえ苦しみます。
ゲロを吐き、大便や小便を垂れ流し、悲惨な苦しみようでした・・・・
イザナミ「ううう・・・ くるしい・・・」
イザナギ「がんばれ、イザナミ！」
そして・・・
イザナミは苦しみぬいた末、とうとう亡くなってしまいました。
妻を亡くしたイザナギは、深い悲しみにくれました。
イザナギ「愛しい妻を、たったひとりの子のために失うなんて・・・」
時間がたって気持ちが落ち着くどころか、悲しみはどんどん募っていきます・・・
そして、妻を亡くした悲しみは、ヒノカグツチへの怒りへと変わっていきました。
イザナギは、赤子のヒノカグツチを、憎しみの目で見つめます。
そして・・・
剣を抜き・・・
ザシュッー！！
ヒノカグツチの首を切って殺してしまったのです・・・
これで火之迦具土神（ひのかぐつち）の神話はおしまい。
悲しい結末ですよね・・・
もっと詳しく知りたい方は、こちらを読んでみてください。
全9話。宇宙創成から天照大御神が生まれるまでの神話が読めます。
火之迦具土神のお話だけ読みたいならこれです・・・
ヒノカグツチの死体から生まれた、たくさんの神様たちについても知ることができます！
火之迦具土神（ひのかぐつち）の神格とご利益
火之迦具土神の別名
火之迦具土神（ひのかぐつちのかみ）の別名はいろいろあります。
- 火之夜藝速男神
（ひのやぎはやをのかみ） - 火之炫毘古神
（ひのかがびこのかみ） - 軻遇突智
（かぐつち） - 火産霊
（ほむすび）
火之迦具土神の神格
- 火の神
- 防火の神
- 鍛冶の神
火之迦具土神のご利益（ご神徳）
火之迦具土神は火の神様ですから、当然ご利益も火に関することがメインです。
また、火は物を生み出すことから、産業の神様としても崇められていますし、金運・招福のご利益も有名です。
- 火難除け
- 産業隆盛
- 金運増大 など
火之迦具土神をお祀りしている主な神社
火之迦具土神は、主に次の神社にお祀りされています。
- 秋葉神社(静岡県浜松市)
- 愛宕神社(京都府京都市)
- 伊豆山神社(静岡県熱海市)
- 火男火売（ほのおほのめ）神社（大分県）
全国の愛宕神社・秋葉神社にもお祀りされています。
火之迦具土神に関わりある神様
伊邪那岐神（いざなぎ）
伊邪那美神（いざなみ）
