神武東征② 神倭伊波礼毘古命と登美毘古(トミビコ)の戦争

【神社の神様の神話】神武東征②
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前回、天下平定のための新たな本拠を求めて

日向(ひむか)の高千穂宮を出発した

神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)と兄の五瀬命(イツセ)。

征く先々の豪族を、順調に服属させて来たのですが・・・

事はそう簡単ではありません・・・

もうすぐ戦争が始まるんです!

前の話:神武東征① 神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)、東へ!

登美毘古(トミビコ)の迎撃

槁根津日子(サオネツヒコ)を水先案内人として、さらに東へ進むカムヤマトイワレビコ軍団。

浪速之渡(なみはやのわたり)を経て、白肩津(しらかたのつ)までやって来ました。

 

白肩津へ 【神社の神様の神話】神武東征②

白肩津(しらかたのつ)

大阪湾沿岸部のどこか。

あるいは、昔内陸に存在した、河内湖の沿岸部ではないかと言われています。

 

ここでもまた、地元の豪族が出迎えてくれ、平和のうちに服属するのでしょうか。

ところが・・・

 

「敵襲~!敵襲~~!!」

 

なんと、そこには 登美那賀須泥毘古(トミノナガスネビコ)の軍勢が待ち受けていたのでした!

登美毘古来襲【神社の神様の神話】神武東征②

 

カムヤマトイワレビコたちに、一気に緊張が走ります!

そして応戦するため、船に装備していた盾をとって陸に降り立ちました。

 

このことから、ここの地名は楯津(たてつ)となり、今では日下の蓼津(くさかのたでつ)と呼ばれています。

日下の蓼津(くさかのたでつ)

現在の東大阪市日下町あたりと考えられています。

 

カムヤマトイワレビコ軍、撤退す…

とうとう戦争が始まりました。

カムヤマトイワレビコたちは、敵と果敢に戦います。

しかし・・・

敵のトミビコの軍はとっても強く、苦戦を強いられました。

そして悲劇が起こります・・・

 

ヒュン!

ぐさあっ!!!

イツセ「ぐわっ!!」

 

なんと、敵トミビコの放った矢が、兄イツセの手に刺さってしまったのです。

 

イツセ負傷 【神社の神様の神話】神武東征②

 

イツセは、苦しそうにしながらこう言います。

 

イツセ「俺たちは日の神アマテラスの御子…、なのに日に向かって戦ったのが良くなかったんだ・・・」

カムヤマト「そうか・・・!」

イツセ「ここは一端引いて回り込み、日を背にして敵を撃とう。」

カムヤマト「わかった!」

 

こうして、カムヤマトイワレビコの軍勢は撤退し、大阪湾を南に回り込むように船を進めました。

 

回り込み 【神社の神様の神話】神武東征②

 

そして血沼海(ちぬのうみ)にまで来たときに、イツセは矢傷を負った手を洗ったのでした。

血沼海(ちぬのうみ)

大阪府和泉地方の海?

 

五瀬(いつせ)死す・・・

さらに船を南に進めた、カムヤマトイワレビコとイツセの軍団。

紀国(きのくに)の男乃水門(おのみなと)という港に到着しました。

 

でも、矢傷を負ったイツセの状態が良くありません・・・

苦しみに苦しんだイツセでしたが

 

イツセ「卑しい奴に手傷を負わされて死ぬのか~!」

 

最後にそう雄叫びをあげると、とうとう死んでしまったのでした・・・

 

このことから、この港のことを 男乃水門(おのみなと)と言うのです。

イツセの墓は、紀国の竈山(かまやま:和歌山市和田)にあります。

 

大切な兄を失ったカムヤマトイワレビコ。

これから一体どうするのか・・・

つづく

次の話:神武東征③ 神剣 布都御魂(ふつのみたま)

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