神武東征③ 神剣 布都御魂(ふつのみたま)

【神社の神様の神話】神武東征③
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日向(ひむか)の国から東征を開始し、

征く先々の豪族を服属させてきた

神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)と五瀬命(イツセ)の軍団。

しかし、大阪の地で敵襲に遭い

兄イツセは戦死してしまいました。

一人残されたカムヤマトイワレビコ、

ここからどうするのでしょうか?

前の話:神武東征② 神倭伊波礼毘古命と登美毘古(トミビコ)の戦争

大熊の呪い・・・

兄のイツセを失ったカムヤマトイワレビコでしたが、

それでも東征を続ける意思は変わりません。

彼は、さらに船を南に進めて回り込み、熊野村(和歌山県新宮市あたり?)に到着しました。

 

神武東征 【神社の神様の神話】神武東征③

 

すると、なにやら怪しい者の気配が・・・

それはちらっと姿を見せて隠れ、すぐにいなくなってしまいました。

 

カムヤマト「なんだ、あれは・・・」

部下「大熊のようですな・・・」

 

その時です。

 

カムヤマト「うっ・・・!」

 

カムヤマトイワレビコが急に苦しみだしたのです・・・

彼の体調はどんどん悪くなり、とうとう眠り伏してしまいました・・・

 

それだけではありません・・・

軍団の全員が病に苦しみ、眠り伏してしまったのです。

これは何かの呪いでしょうか・・・

それとも敵の攻撃・・・?

 

神剣 布都御魂(ふつのみたま)

病に伏し、眠りから覚めないカムヤマトイワレビコとその軍団・・・

そこに、高倉下(タカクラジ)という者が訪ねてきました。

手にはひと振りの太刀を持っています。

 

タカクラジが、眠っているカムヤマトイワレビコにその太刀を献上すると・・・

太刀の力なのか、カムヤマトイワレビコが目を覚まして起き上がったのです。

 

カムヤマト「・・・長い間寝てしまった。」

カムヤマト「この剣は・・・?」

 

布都御魂 【神社の神様の神話】神武東征③

 

そして、カムヤマトイワレビコがその太刀を手にした瞬間!

 

キーーン!!

 

カムヤマト「なんだ・・・?」

 

この時、熊野の山の荒ぶる神が切り殺されていたのです。

そのため、眠り伏していた兵士たちも、みな目を覚ましました。

 

カムヤマト「この剣は・・・ これをどこで?」

タカクラジ「それが、こんな夢を見たのです・・・」

 

タカクラジが見た夢

 

天照大御神(アマテラス)と、天界の重鎮 高御産巣日神(タカミムスビ)が

武神 建御雷神(タケミカヅチ)を呼んでこう言いました。

 

アマテラス「地上界がとても騒がしく、私の子たちが苦しんでいるようです。」

アマテラス「タケミカヅチよ、葦原の中つ国はもともと貴方が平定した国。これから天降りなさい。」

タケミカヅチ「俺が地上界に降りなくても、この太刀がありますぜ!」

 

タケミカヅチはそう言って、ひと振りの太刀を差し出しました。

神剣 布都御魂(ふつのみたま)です。

 

タケミカヅチ「この太刀を地上に降ろせば大丈夫でしょう!」

アマテラス「でも、どうやって?」

タケミカヅチ「タカクラジの倉の屋根に穴をあけて、そこから落とし入れましょう。」

 

するとタケミカヅチは、夢としてこのシーンを傍観しているはずの、タカクラジの方を向いてこう言いました。

 

タケミカヅチ「だから、お前が朝目覚めたら、この太刀を天津御子に献上するのだ!」

 

 

タカクラジ「朝目覚めてから倉を見てみると、本当に太刀があったんです!」

カムヤマト「ほう・・・」

タカクラジ「それで、この太刀を献上したのです。」

 

こうしてカムヤマトイワレビコは、天界のアマテラスのおかげで、この難局を乗り切ったのでした。

 

古事記では、この神剣(神様)の名を3つ紹介しています。

  • 佐士布都神(さじふつのかみ)
  • 甕布都神(みかふつのかみ)
  • 布都御魂(ふつのみたま)

この剣神は、奈良県天理市の石上(いそのかみ)神宮の主祭神です。

 

カムヤマトイワレビコの東征は、これからまだまだ続きます!

つづく

次の話:神武東征④ 八咫烏(やたがらす)の導き

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