神武東征⑤ 兄宇迦斯(エウカシ)と弟宇迦斯(オトウカシ)

【神社の神様の神話】神武東征⑤
◆アフィリエイト広告を利用しています◆

八咫烏(やたがらす)の導きによって

熊野から吉野まで軍を進めてきた

神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)軍団。

行く先々で、国津神に出逢いますが

みな平和裏に恭順したのか

何事もなく順調に進んできました。

 

でも・・・

これから宇陀の地で、何かが起ろうとしています・・・

前の話:神武東征④ 八咫烏(やたがらす)の導き

兄宇迦斯(エウカシ)と弟宇迦斯(オトウカシ)

宇陀(うだ:奈良県宇陀市)の地までやって来た、カムヤマトイワレビコ軍団。

そこには兄宇迦斯(エウカシ)と弟宇迦斯(オトウカシ)という兄弟がいました。

この兄弟もまた、カムヤマトイワレビコに服属してくれるでしょうか・・・

 

まずは八咫烏(やたがらす)を遣いに出します。

八咫烏(やたがらす) 【神社の神様の神話】神武東征⑤

八咫烏「いま、天津神の御子がやって来た。お前たちは従属するか?」

エウカシ「なんだと~!!」

 

エウカシは弓に鏑矢(音の鳴る矢)をつがえると、八咫烏にむけて発射!

 

キュイ~~ン!!

 

八咫烏を追い返してしまいました。

この鏑矢が落ちた地を、訶夫羅前(カブラサキ)というようになりました。

 

エウカシの陰謀

そしてエウカシは、カムヤマトイワレビコ軍団を迎え撃とうと、兵を集めだしました。

しかし・・・

思うように兵が集まりません・・・

人望がなかったんでしょうか・・・

 

仕方がないので、「従属するふり作戦」に変更!

カムヤマトイワレビコのために御殿を造り、その中に罠を仕掛けて待ち受けていました。

危うし、カムヤマトイワレビコ!!

 

オトウカシの密告

その時、ひそかにカムヤマトイワレビコのもとを訪れた者がいました。

弟のオトウカシです。

 

オトウカシ「あなた様の身が危険です・・・!」

 

オトウカシは兄の作戦の全てを、カムヤマトイワレビコに話しました。

 

カムヤマト「よく打ち明けてくれた。しかしどうしたものか・・・」

部下「私どもにお任せください!」

 

名乗り出たのは 道臣命(ミチノオミノミコト)と、大久米命(オオクメノミコト)でした。

道臣命(ミチノオミノミコト)

大伴連(オオトモノムラジ)の祖先

 

大久米命(オオクメノミコト)

久米直(クメノアタイ)の祖先

 

どちらも軍事を司る氏族です。

 

二人はエウカシを呼びつけて罵ります。

 

「お前が作った御殿の中に、まずお前が入って恭順の意を示せ!」

 

そして刀の柄を握り、矛を向け、矢で狙って

エウカシを御殿の中へ追い込みました。

 

ぎゃあ~~!!

 

エウカシは、自分が作った罠にかかって死んでしまいました・・・

そして、エウカシの体はすぐに罠から引き出され

刀で切り散らかして捨てられたのでした・・・

それでこの土地を、宇陀の血原(ウダノチハラ)といいます。

 

その後、オトウカシは御馳走を献上し、それらは全てカムヤマトイワレビコの軍団に与えられました。

 

久米歌(くめうた)

この宴で唄われた歌があります。

久米歌(くめうた)です。

それは、こんな感じの歌でした。

 

宇陀の高台に鴫(しぎ)を獲ろうと

罠を張って待っていたら

鴫はかからず鯨がかかったよ

 

古女房が肴を欲しがれば

そば木の実のように中身のないものを

むしり取ってくれてやれ

 

新妻が肴を欲しがれば

ヒサカキの実のように大きなものを

そぎ取って与えなよ

 

え~ シヤコシヤ

あ~ シヤコシヤ

 

 

ちなみに、宇迦斯(オトウカシ)は、宇陀の水取(モイトリ)等の祖先です。

つづく

次の話:神武東征⑥ 謀殺された土蜘蛛

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です