神武東征⑦ 神倭伊波礼毘古命の歌

【神社の神様の神話】神武東征⑦
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前回、忍坂の地で土蜘蛛たちと相対した

神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)

土蜘蛛たちを御馳走でもてなしながら

機を見て全員切り殺してしまいました。

 

さて、いよいよこれから

あの登美毘古(トミビコ)との再戦に臨みます!

前の話:神武東征⑥ 謀殺された土蜘蛛

登美彦との再戦の描写がない!?

はるばる紀伊半島を回り込み、苦しみながらも進軍してきた神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)軍団。

これからいよいよ、あの登美毘古(トミビコ)との再戦に臨みます!

 

登美毘古は兄の五瀬命(イツセ)を殺した憎き敵であり、

紀伊半島を苦労して回り込んだのも、この登美毘古のせいです。

カムヤマトイワレビコ軍団、否が応でも士気が上がります!

 

ところが・・・

古事記には、この戦いの描写がないんです・・・

 

ただ、カムヤマトイワレビコが歌った歌があるだけ。

要は、その歌から戦いを想像しろってことです。

 

ここは神武東征のクライマックスになるところだろうに

なんでなんでしょうね・・・

編者さん、書くのがめんどくさくなったのか・・・

 

というわけで、仕方ないのでカムヤマトイワレビコが歌った歌を紹介していきます。

 

登美毘古との再戦の歌1

カムヤマトイワレビコが、トミビコとの戦いに臨もうとしたときに詠んだ歌。

 

みつみつし 久米の子らが 粟生(あわふ)には

臭韮一本(かみらひともと) そ根がもと

そ根芽つなぎて 撃ちてし止まむ。

 

歌の意味はこんな感じ・・・

勇ましい久米の子らの粟畑に、くさいニラが一本生えている。

それを根こそぎ引っこ抜き、根と芽ごと一緒に引っこ抜くように

敵を撃たずにおくものか

※「みつみつし」は久米の子らの枕詞

 

登美毘古との再戦の歌2

カムヤマトイワレビコは、続けてこんな歌を歌いました。

 

みつみつし 久米の子等が 垣下(かきもと)に

植えし椒(はじかみ) 口ひひく 吾は忘れじ 撃ちてし止まむ

 

この歌の意味はこんな感じ・・・

勇ましい久米の子らが、垣根の脇に植えた山椒の

口がヒリヒリするその痛みを俺は忘れない

敵を撃たずにおくものか

※「みつみつし」は久米の子らの枕詞

 

「口がヒリヒリする痛み」は、前回登美毘古との戦いに負け、兄まで殺されたことへの怨みを表現しているようです。

 

登美毘古との再戦の歌3

カムヤマトイワレビコは、さらにこんな歌を歌いました。

 

神風の 伊勢の海の 大石(おひし)に 這ひ廻(もとほ)ろふ 細螺(しただみ)の い這ひ廻(もとほ)り 撃ちてし止まむ

 

この歌の意味はこんな感じ・・・

伊勢の海の、大きな石を這いまわるたくさんの巻貝

その這いまわる姿のように、敵を撃たずにおくものか

※「神風の」は伊勢の海の枕詞

 

これは、敵の砦を攻めている様子でしょうか・・・

カムヤマトイワレビコの兵たちが、敵の砦に群がって攻める姿がイメージできます。

 

カムヤマトイワレビコは、ここで多分登美毘古に勝利したと思うのですが、

古事記にはなにも書いていません・・・

 

兄師木(エシキ)と弟師木(オトシキ)との戦い

そしてカムヤマトイワレビコは、大和の師木の地の豪族 兄師木(エシキ)と弟師木(オトシキ)の兄弟を攻めました。

でも、相手が手強い!

しかも連戦を重ねてきた兵士たち・・・

とうとう疲れ切ってしまいました・・・

 

そこでカムヤマトイワレビコが詠んだ歌がこれ。

 

楯並(たたな)めて 伊那佐の山の 木の間(このま)よも

い行きまもらひ 戦へば 吾はや飢(え)ぬ

島つ鳥 鵜養(うかい)が伴(とも) 今助けに来ね

 

歌の意味はこんな感じ・・・

伊那佐の山の木々の中をずっと敵と戦ってきたから、俺はとても腹が減ったよ・・・

鵜を使う 鵜飼いの者よ、今すぐ(食べ物を持って)助けに来てくれ

 

この戦いの勝敗も、古事記にはなにも書いてありません。

でも、まあ勝ったんでしょう。

日本書紀によると、兄のエシキは滅ぼされ、弟のオトシキは恭順したそうです。

 

さて、この後思いもよらない者が現れます。

それは、もうひとりの天津神の御子だった・・・!?

つづく

次の話:神武東征⑧ 邇芸速日命(ニギハヤヒ)の服従と神武天皇の誕生!

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