前回、神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)は
因縁の敵である登美毘古(トミビコ)と再戦しました。
その勝敗は古事記には明記されていませんが
間違いなく勝利したのでしょう。
こうやって征く先々の豪族を下してきたカムヤマトイワレビコの前に
意外な神様が現れます。
その神様の正体とは・・・!?
前の話:神武東征⑦ 神倭伊波礼毘古命の歌
もうひとりの天津御子 邇芸速日命(ニギハヤヒ)
兄師木(エシキ)と弟師木(オトシキ)との戦いが終わったころでしょうか。
神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)のもとに、邇芸速日命(ニギハヤヒ)と名乗る神様がやって来ました。
カムヤマト「お前は誰だ?」
ニギハヤヒ「私もあなたと同じ天津神の子。」
ニギハヤヒ「天津神の御子が天降りされると聞いて、追って降ってきました。」
そう言うと、ニギハヤヒは天津瑞(あまつしるし)という、天津神の子の証明となる宝をカムヤマトイワレビコに献上しました。
こうしてニギハヤヒは、カムヤマトイワレビコに仕えることになったのです。
ちなみに、ニギハヤヒの妻は、あの登美毘古(トミビコ)の妹です。
いったい、ニギハヤヒってどんな神様なんでしょうか・・・
天降ったカムヤマトイワレビコに仕えたくて、自分も降りてきたというのに、なぜ大和にいたのか?
しかも、カムヤマトイワレビコの宿敵 登美毘古 の妹が妻・・・
謎の多い神様ですが、古事記にはその辺詳しく書かれていないのです。
他の書では、あの邇邇芸命(ニニギ)の兄 天火明神(アメノホアカリ)と同一神だとしているものあります。
そうなると、ニギハヤヒはカムヤマトイワレビコにとって曾祖伯父(そうそはくふ:曽祖父の兄)。
つまり、別系統の天津御子だと言っても、間違いじゃないんですよね。
まあ、この辺をあまり考えすぎると、混乱するだけです・・・
神話ってあんまり考えてないな、って部分も多いですから(‘ω’)
神武天皇、ここに誕生!
その後も、カムヤマトイワレビコは、征く先々の荒ぶる神々を平定して回りました。
説得に従うものは平和裏に従属させ、従わぬ者は撃退し・・・
そして、畝火(うねび:奈良県橿原市の畝傍山あたり)に皇居 橿原宮(かしはらのみや)を建て、天下を治めました。
カムヤマトイワレビコは、日本の初代天皇である、神武天皇となったのです!
神武東征 完