無事に日本の国土を生み終わった伊邪那岐神(イザナギ)と伊邪那美神(イザナミ)。
今度は神様をたくさん生んでいきます。
それは、住まいの神だとか、海や川の神だとか、
国土をさらに発展させるために必要な神様たちです。
ただ・・・
古事記は、この時生まれた神様を羅列しているだけ。
はっきり言って面白くない・・・
もう少しでぐんと面白くなっていきますから、ここはすこしだけ我慢がまん!
最初に生んだ神様
イザナギとイザナミが最初に生んだ神様は
大事忍男神(オオゴトオシオノカミ)
ご神徳は、大事を成し遂げる神様、威力の神様です。
この神様、なんでここに出てくるのか、良く分かってません。
説は色々あります。
- 国生みの大事を成し遂げたことを記念して・・・
- 神生みという大事を成し遂げるために、ここに持ってきた。
- もっと後に出てくる神様だったのに、間違ってここに登場させてしまった。
3番の説では、熊野大社本宮の 事解之男神 と同一視しています。
住居に関する六柱の神様
続いて生んだのは住居に関する6柱の神様。
家宅六神(かたくろくしん)と呼ばれています。
●石土毘古神(イワツチビコノカミ)
岩や土の神様
●石巣比売神(イワスヒメノカミ)
岩や砂の神様
●大戸日別神(オオトヒワケノカミ)
家の戸口の神様
●天之吹男神(アメノフキオノカミ)
屋根葺(ふ)きの神様
●風木津別之忍男神
(カザモツワケノオシオノカミ)
なんの神様かはっきりしません。
水に関する三柱の神様
次に水に関する神様3柱。
●綿津見神(オオワタツミノカミ)
海の神様。
●速秋津日子神(ハヤアキツヒコノカミ)
港や河口の神様
●速秋津比売神(ハヤアキツヒメノカミ)
港や河口の女神様
河口の神様が生んだ子神
さっき生まれた速秋津日子神(ハヤアキツヒコノカミ)と、
速秋津比売神(ハヤアキツヒメノカミ)の二柱の神様が、
海と河に分けて8柱の神様を生みました。
●沫那芸神(アワナギノカミ)
●沫那美神(アワナミノカミ)
泡の神様と女神様
●頬那芸神(ツラナギノカミ)
●頬那美神(ツラナミノカミ)
水面の神様と女神様
●天之水分神(アメノミクマリノカミ)
●国之水分神(クノミクマリノカミ)
水を分配する神様と女神様
●天之久比箸母智神(アメノクヒザモチノカミ)
●国之久比箸母智神(クノクヒザモチノカミ)
灌漑の神様と女神様
水くみ(容器)を持っている神という意味。
この神様たちを見て、何かに気づきませんか?
水が泡となって生まれ、水面をたたえる量となり、それを分配してくみ取る・・・
つまり、これって農耕をイメージしているのでは!?
地に関する四柱の神様
次に生まれたのは、土地に関する神様。
●志那都比古神(シナツヒコノカミ)
風の神
●久久能智神(ククノチノカミ)
木の神
●大山津見神(オオヤマヅミノカミ)
山の神
山の神の一番のお偉いさんです。
●鹿屋野比売神(カヤノヒメノカミ)
またの名を野椎神(ノヅチノカミ)
野の神
「鹿屋野」とは、萱(かや)の野原のこと。むかし萱は屋根の材料や飼料として重宝されていました。
地の神様が生んだ子神
大山津見神(オオヤマヅミノカミ)と野椎神(ノヅチノカミ)は、山と野に分けて子を生みました。
●天之狭土神(アメノサヅチノカミ)
●国之狭土神(クニノサヅチノカミ)
土の神様
●天之狭霧神(アメノサギリノカミ)
●国之狭霧神(クニノサギリノカミ)
霧の神様
●天之闇戸神(アメノクラトノカミ)
●国之闇戸神(クニノクラトノカミ)
谷の神様
●大戸惑子神(オオトマトヒコノカミ)
●大戸惑女神(オオトマトヒメノカミ)
なんの神様???
船と穀物と火の神様
次に生まれたのは船と穀物と火の神様
●鳥之石楠船神(トリノイハクスフネノカミ)
またの名を天鳥船(アメノトリフネ)
船の神様で、国譲りの神話にも登場します。
●大宜都比売神(オオゲツヒメカミ)
穀物の神様。
四国の神様と同じ名前ですね・・・。
でも、同じ神様かは分かっていません。
後に、体中の穴から出した食材で作った料理をふるまい、怒ったスサノオに切り殺されてしまいます・・・
●火之夜芸速男神(ヒノヤギハヤオノカミ)
またの名を
火之炫毘古神(ヒノカガビコノカミ)
火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)
火の神様
ふ~・・・
お待たせしました・・・
この火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)が生まれたことによって、神話は大きく動き出します。
これからどんどん面白くなっていきますよ!
つづく
次の話: