神生み② イザナミの神避り(かむさり)

神社の神様 神生みの神話
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神生みの神話第2話!

日本の国土づくりのために、どんどん神を生んでいく伊邪那岐神(イザナギ)と伊邪那美神(イザナミ)。

神生みは順調に進んでいたのですが・・・

ある日、大変なことが起こります・・・

いったいその事件とは・・・!?

前回の話:神生みの神話① イザナギとイザナミが生んだ神様たち

大火傷を負ったイザナミ

それは、イザナミが火の神 火之迦具土神(ヒノカグツチ)を生んだ時のことでした。

 

ぎゃ~~~!!!

 

イザナミの絶叫がほとばしります!

なんと、イザナミは陰部を大火傷してしまったのです!

 

神社の神様 神生みの神話 ヒノカグツチ

 

火傷は命に関わるほどの深刻な状態でした・・・

病床で苦しみに苦しむイザナミ・・・

嘔吐し、糞尿を垂れ流し、見るからに壮絶な悶(もだ)えようです・・・

 

イザナミ「う~・・・ くるしい・・・」

イザナギ「しっかりしろ、イザナミ!」

 

なのに、こんな状態でも神様はまだまだ生まれてきます。

 

嘔吐物から生まれた神様

鉱山の神

金山毘古神(カナヤマヒコノカミ)

金山毘売神(カナヤマヒメノカミ)

大便から生まれた神様

土の神

波邇夜須毘古神(ハニヤスヒコノカミ)

波邇夜須毘売神(ハニヤスヒメノカミ)

 

ちなみに和久産巣日神の子は、あの伊勢神宮の外宮に祀られている 富宇気毘売神(トヨウケビメノカミ)です。

天照大御神が伊勢に呼び寄せた、食事を司る神様ですね。

 

【神避り :かむさり】イザナミ死す・・・

苦しみに苦しんだ挙句、イザナミはとうとう死んでしまいました。

神が死ぬことを、古事記では「神避り(かむさり)」と表現しています。

 

イザナギ「愛する妻の命を、たった一人の子と引きかえに失うなんて・・・」

 

イザナギは嘆き悲しみ、イザナミの枕元や足下を這いまわって泣きました・・・・

すると、その涙から 泣沢女神(ナキサワメノカミ)が生まれました。

この神様は、香山(かぐやま)のふもとの木の本(もと)に鎮座しています。

奈良県橿原市(かしはらし)木之本町に、泣沢女神社があります。

 

泣いて泣いて、泣きつくしたイザナギ・・・

イザナミの遺体を 出雲の国(島根県)と伯伎国(ははきのくに)の境の、比婆の山(ひばのやま)に葬りました。




イザナギ、ヒノカグツチを斬る

イザナミを亡くし、悲しみはどんどん募っていきます・・・

そしてその感情は、次第に怒りへと変わっていきました。

 

イザナギ「・・・・・・

 

イザナギは腰の十束の剣(とつかのつるぎ)を抜くと

 

ザシュッー!!

 

なんと、ヒノカグツチの首を切ってしまったのです・・・

怒りが我が子に向いてしまったんですね・・・

神社の神様 神生みの神話 十束の剣

十束の剣とは、「拳10個分の長さの剣」という意味で、刀の名前ではありません。

この時使った剣の名は 神剣 天之尾羽張(あめのおはばり)、またの名を伊都之尾羽張(イツノオハバリ)といいます。

 

 

この時にも神様が生まれてきます。

血が刀の切っ先から岩に飛び散って生まれた神様

石拆神(イワサクノカミ)

根拆神(ネサクノカミ)

石筒之男神(イワツツノオノカミ)

血が刀の根本から岩に飛び散って生まれた神様

甕速日神(ミカハヤヒノカミ)

樋速日神(ヒハヤヒノカミ)

建御雷之男神
(タケミカヅチノオノカミ)

 

建御雷之男神のまたの名を 建布都神(タケフツノカミ)、または豊布都神(トヨフツノカミ)といいます。

 

建御雷之男神は鹿島神宮の御祭神で、後に国譲りの神話にも登場し、大活躍する神様です。

参考:神社の神様 国譲り神話① 奪え地上界!天照大神の策略

 

ちなみに、別名の「フツ」という言葉は、刀で切った時の音を表すそうですよ。

 

 

刀の柄にたまった血が、指の間から流れ落ちて生まれた神

闇淤加美神(クラオカミノカミ)

闇御津羽神(クラミツハノカミ)

この二柱は、龍神であると考えられています。

千葉県の銚子には、闇淤加美神(くらおかみ)を祀る 銚港神社があるんですよ。

参考:銚港神社(千葉県銚子市)は龍神を祀る龍の神社だった【御朱印あり】

 

以上の八柱の神様は、刀剣から生まれた神様です。

 

ヒノカグツチの死体から生まれた神

殺された火之迦具土神(ヒノカグツチ)の体からも、8柱の山の神様が生まれます。

神社の神様 神生みの神話

●頭から生まれた神様
正鹿山津見神(マサカヤマツミノカミ)

●胸から生まれた神様
淤縢山津見神(オドヤマツミノカミ)

●腹から生まれた神様
奥山津見神(オクヤマツミノカミ)

●陰部から産まれた神様
闇山津見神(クラヤマツミノカミ)

●左手から産まれた神様
志芸山津見神(シギヤマツミノカミ)

●右手から産まれた神様
羽山津見神(ハヤマツミノカミ)

●左足から生まれた神様
原山津見神(ハラヤマツミノカミ)

右足から産まれた神様
戸山津見神(トヤマツミノカミ)

 

 

悲しみにくれたイザナギは・・・

イザナミが死んで、悲しみに暮れたイザナギ・・・

とうとうトンデモナイことを思いつきます。

それは、イザナミに会うために、死者の国である 黄泉の国へ行くことでした。

この決心が、また大変な事態を招くことになるんです・・・

 

そのお話はまた次のお話で!

つづく

次の話:黄泉の国① イザナミ、死んだイザナギに逢いに行く

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