神世七代(かみよななよ)。
天地創生(天地開闢)のころ、別天津神(ことあまつかみ)に続いて生まれてきた、12柱の神様のことをこう呼びます。
つまり、「神の世に生まれた、七代に渡る12柱の神様。」
この世界を形作った、とっても大事な神様です。
そんな神世七代の神様たちをご紹介します!
神世七代の神様は12柱
神世七代(かみよななよ)の神様は、七世代にわたって生まれてきた12柱。
初代 | 国之常立神(くにとこたちのかみ) |
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二代 | 豊雲野神(とよくもののかみ) |
三代 | 宇比地邇神(うひじにのかみ) 須比智邇神(すひちにのかみ) |
四代 | 角杙神(つのぐいのかみ) 活杙神 (いくぐいのかみ) |
五代 | 意富斗能地神(おおとのじのかみ) 大斗乃弁神(おおとのべのかみ) |
六代 | 於母陀流神(おもだるのかみ) 阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ) |
七代 | 伊邪那岐神(いざなぎのかみ) 伊邪那美神(いざなみのかみ) |
この12柱の神様たちはそれぞれ、天地創生時の「なにか」を象徴しているようです。
その解釈がなかなか難しい神様もいるのですが、一代ずつ見ていきましょう。
初代)国之常立神(くにとこたちのかみ)
神世七代の初代は、国之常立神(くにとこたちのかみ)。
大地の恒久性を神格化した神様。
性別がなく、ひとりで生まれてきた独神(ひとりがみ)です。
日本の神話の神様は、二柱で対を成して生まれてくることが多いんです。
男神(陽)と女神(陰)だったり、天と地の属性だったり・・・
だから、独神と強調しているのは、それが特別な神様だと言いたいわけです。
国之常立神は、いまだ宇宙の形が定まっていなかった頃に生まれ、地上界の土台を成した神様だと言われています。
ちなみに、天を形作ったのは 別天津神(ことあまつかみ)の一柱 天之常立神(あめのとこたちのかみ)。
天(高天原)の恒久性を神格化した神様で、国之常立神と対を成します。
ニ代目)豊雲野神(とよくもののかみ)
神世七代のニ代目の神様は 豊雲野神(とよくもののかみ)。
この神様も性別がなく、ひとりで生まれてきた独神です。
名前からすると、豊かな雲がたなびく野を神格化した神様。
雲は雨を降らせます。雨によって大地は潤います。
農業にもとっても適した土地のはずです。
つまり、豊雲野神は雨が降らんとする大地を神格化した神様だと考えられます。
三代目)宇比地邇神(うひじにのかみ)と須比智邇神(すひちにのかみ)
神世七代の三代目の神様は、宇比地邇神(うひじにのかみ)と須比智邇神(すひちにのかみ)。
初めて男女ペア(対)で生まれてきた神様です。
兄と妹という間柄なんだそう。
兄のは「泥土」、妹は「泥砂」を表しているという説があります。
どちらも、植物の生成に欠かせない環境ですよね。
四代目)角杙神(つのぐいのかみ)と活杙神 (いくぐいのかみ)
神世七代の四代目の神様は角杙神(つのぐいのかみ)と活杙神 (いくぐいのかみ)。
こちらも男女対で生まれてきた神様です。
名前の杙(くい)をどう解釈するかで説が別れます。
たとえば、杙(くい)は杭(くい)のことで、地面に杭を打つことで、土地の境界が明解になった、という説。
でも、私が好きなのは次の説です。
「クイ(クヒ)」は「芽ぐむ」などの「クム」。
「角ぐむ」は角のように芽が出はじめる意。
「活ぐむ」は生育し始めるの意、とする説があります。
泥土が段々固まってきたことにより、生物が発成し育つことができるようになったことを示す神名であるされる。
この説、とっても良いなって思いませんか?
三代目の 宇比地邇神(うひじにのかみ)と須比智邇神(すひちにのかみ)が土壌を作り、
四代目の角杙神(つのぐいのかみ)と活杙神 (いくぐいのかみ)が植物を芽吹かせる。
ロマンがありますよねえ!
五代目)意富斗能地神(おおとのじのかみ)と大斗乃弁神(おおとのべのかみ)
神世七代の五代目の神様は、意富斗能地神(おおとのじのかみ)と大斗乃弁神(おおとのべのかみ)
この二柱がなにを表現している神様なのかよく解りません・・・
大地がしっかりと固まったことを神格化した神様という説があれば、
「地」は男、「弁」は女の意味で、「おおと=おほと」は性器を表すとの説も・・・
六代目)於母陀流神(おもだるのかみ)と阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
神世七代の六代目の神様は、於母陀流神(おもだるのかみ)と阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)。
「おもだる」は面が足る=イケメンって意味もあるようですし、転じて「完成した」という意味が込められてるとも。
「あやかしこね」は「あや・かしこ」=「なんと素晴らしい」って意味があるそうです。
なにが完成して、なにが素晴らしいのか?
やっぱり天と地のことなんでしょうかねえ・・・
七代目)伊邪那岐神(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)
いよいよ最後、神世七代の七代目の神様は 伊邪那岐神(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)です。
名前の意味は、いざなう(誘う)男神といざなう(さそう)女神。
お互いに惹き合う二柱の神様を表現しているんだそう。
なにに誘ってるのか・・・?
やっぱり性交なんでしょうね。
だって、イザナギとイザナミは初めて性交した神様だとも言われていますから。
これから、交合によってたくさんの神様を生んでいく、とっても重要な神様なんです。
神世七代の誕生後、神話は新しいステージへ
天地の創生のころ、最初に五柱の別天津神(ことあまつかみ)が生まれ、
次に12柱の神世七代(かみよななよ)が誕生し、とうとう天と地が完成しました。
これから神話は、イザナギとイザナミによる日本国土の創生(国生み)、
そして神生みへと進んでいきます。
詳しい神話はこちらで読めますよ!