木花咲耶姫とは
木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)とは、日本神話に登場するとっても美しい女神様。
浅間神社や子安神社の御祭神として有名です。
「木花」という字は桜の花のことで、
桜の花が咲き誇るように美しい女神
という意味の名前です。
また、
桜の花のように美しく儚い命
をも象徴しており、永遠性を象徴する姉の石長比売(イワナガヒメ)と対になっています。
この木花咲耶姫、ちょっとぶっ飛んだところもあり、なかなか面白い神話を持つ女神様なんです!
木花咲耶姫とはどんな神様?
木花咲耶姫の別名
木花佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)
神阿多都比売(カムアタツヒメ)
神吾田津姫(カムアタツヒメ)
木花咲耶姫の家系
父は山の神 大山津見神(オオヤマツミノカミ)。
大山津見神はイザナギとイザナミの子なので、木花咲耶姫はその孫ってことになります。
また、石長比売(イワナガヒメ)という姉がいます。
ちなみに木花咲耶姫、あの天孫降臨の主人公 邇邇芸命(ニニギノミコト)と結婚します。
ニニギは天照大神のお孫さんなんですが、ちょっと天然系のあけすけな性格をしてるんです。
木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の神話
木花咲耶姫が神話に登場するのは、天孫降臨の章です。
邇邇芸命(ニニギ)と木花咲耶姫の出会い
まずはニニギと木花咲耶姫の出会いから・・・
アマテラスの命により、地上界を統治するため日向(ひむか)の高千穂(九州南部)に天下りした邇邇芸命(ニニギ)。
ある日のこと、岬を歩いているとひとりの少女に出会いました。
ニニギ「うん・・・? うわ、めちゃ可愛い♡」
その少女こそが、木花咲耶姫だったんです。
ニニギは、彼女にひと目惚れしてしまいました。
そしてこう言います。
「君と一発やりたい!」
おいおい、直球勝負か~!
古事記には、このセリフは「目合わせむと欲ふ」と書いてあります。
「エッチしたい」って意味です・・・
あけすけな言い方ですが、つまりは求婚なんです、求婚!
さて、父の大山津見神。
娘が天照大神の孫と結婚できると聞いて大喜び!
たくさんの結納品を添えて、木花咲耶姫を嫁に出しました。
ところが・・・
添えられていたのは、結納品だけじゃなかったんです・・・
嫁いできた木花咲耶姫を出迎えたニニギ。
彼女の横に、もうひとり女性がいることに気づきます。
従者でしょうか?
ただ・・・
その容姿がまたなんとも・・・
めっちゃブサイク!!
ニニギ「あの・・・この人だれ?」
サクヤ「姉の石長比売(イワナガヒメ)です。私と一緒にあなたに嫁ぎます♡」
ニニギ「えっ・・・ 」
イワナガヒメ「よろしく~、ブヒ♡」
ニニギ「・・・!!」
ニニギは、イワナガヒメの容姿に圧倒されています。
このブサイクも俺の嫁・・・?
どうする俺・・・!?
ニニギ「ブスは無理~!」
ニニギはにべもなく、イワナガヒメを突き返してしまいました。
でも、オオヤマツミが娘ふたりをセットで寄こしたのには、大きな理由があったんです。
これが、オオヤマツミがニニギにあてた言葉です。
私が二人の娘を嫁に出したのには
大事な理由があったのです。
イワナガヒメがあなたの妻となれば
天津神の皇子(ニニギ)の命は
雪が降り、風が吹いても
常に岩のように固く長く動かず
変わらないでしょう。
木花咲耶姫を嫁にしたならば
桜の花が咲き誇るように栄えるでしょう。
ところが
あなたはイワナガヒメを送り返し
木花咲耶姫だけを留めたので
天津神の皇子(ニニギ)の寿命は
桜の花のように儚いものとなるでしょう・・・
というわけで、今に至るまで、天皇の寿命は限りあるものになったのです。
なんだか、ニニギって天然入ってますよね・・・
でも、木花咲耶姫も負けてはいません!
軽薄なニニギに対して、木花咲耶姫がブチきれちゃいます。
ニニギにブチ切れる木花咲耶姫
これは、ニニギと木花咲耶姫が結ばれた(一発やった)後のお話。
ある日のこと。
サクヤ「わたし、妊娠しちゃった♡」
ニニギ「ふ~ん…って、え~~!?」
サクヤ「うふ♡」
ニニギ「ちょっと待って!妊娠したって、まだ一発しかやってないのに!?」
サクヤ「え・・・?」
なんか雲行きが怪しくなってきました・・・
ニニギ「それ、ほんとに俺の子!?」
ニニギ「どっかの国津神の子じゃないの~!?」
あ~、言ってしまった・・・
さすが天然系のニニギ・・・
今も昔も、軽薄な男って同じですよねえ・・・
これに木花咲耶姫はブチ切れます。
当然です。
そして、びっくりする行動に出ちゃいます。
なんと、産屋に入ると出入り口を塗り固め、火を放ってしまったんです!
サクヤ「子供があなたの子じゃなかったら無事に生まれない!」
サクヤ「あなたの子なら無事生まれる!」
ニニギ「おいおいおい~!」
産屋は、次第に大きな炎に包まれていきます・・・
これはヤバいか・・・!?
その時です!
おぎゃあ!おぎゃあ!
赤子の声が聞こえてきました!
木花咲耶姫は、炎の中で三柱の子を産んだのでした。
その子らの名は・・・
◆火照命
(ホデリノミコト)
◆火須勢理命
(ホスセリノミコト)
◆火遠理命
(ホオリノミコト)
こうして木花咲耶姫は、子供たちがニニギの子であることを証明(?)したのでした。
女って強いですね!
ニニギと木花咲耶姫が登場する神話は、こちらで面白く読めますよ!
木花咲耶姫の神格とご利益
木花咲耶姫の神格
もともと山の神の木花咲耶姫ですが、その神話によってたくさんの神格を持っています。
●山の神
大山津見神の娘として。富士山の浅間神社の主祭神として有名。
●火の神
火の中で無事に子供を産んだ神話から。
●安産・子安の神
火の中で無事に子を産んだ神話から
●酒造の神
出産したとき、父 大山津見神が酒を造って祝った、という神話から。酒解子神(サケトケノコカミ)として信仰されています。
木花咲耶姫の御利益
お祀りする神社や地域によって、いろいろなご利益があるようです。
たとえば・・・
- 安産・子授け
- 火難除け
- 酒造繁栄
- 農業繁栄
- 航海安全・海上安全
木花咲耶姫が御祭神の神社
木花咲耶姫が祀られている主な神社
- 全国の浅間神社
- 全国の子安神社
- 富士山本宮浅間大社(静岡県)
- 高千穂神社(宮崎県)
- 浅間神社(山梨県)
- 静岡浅間神社(静岡県)
- 稲毛浅間神社(千葉県)
- 櫻井子安神社(千葉県)
- 箱根神社(神奈川県)
- 木花神社(宮崎県)
- 子安神社(三重県)