木花咲耶姫① ニニギのひとめ惚れ

【神社の神様の神話】木花咲耶姫と石長比売
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天照大御神(アマテラス)の命を受け、

葦原の中つ国を統治するために天降った邇邇芸命(ニニギ)。

日向の高千穂に本拠を構えて宮殿も完成し、

いよいよこれから地上界での生活が始まります。

 

そしてニニギは、これからひとりの美少女と出逢うことになります。

その美少女の名前は・・・

ニニギ、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)に出逢う

ある日のことでした。

ニニギが笠沙の岬(かささのみさき:鹿児島県の野間岬)を歩いていると・・・

前方に誰かいます・・・

少女のようです・・・

 

ニニギ「うん・・・? ウホ!超美少女~!」

 

なんとニニギ、この少女に一目惚れしてしまいました。

日本の神話では、よくあるパターンですね。

 

【神社の神様の神話】木花咲耶姫

 

ニニギ、さっそくその美少女に話しかけます。

 

ニニギ「こんにちは~! 君は誰の娘さん?」

サクヤ「私は大山津見神(オオヤマツミ)の娘の 神阿多都比売(カムアタツヒメ)です。」

サクヤ木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)ともいいます。」

 

木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)

古事記では 木花佐久夜毘売 と表記しています。

 

ニニギ「そうか~、サクヤちゃんかあ~。可愛いね♡」

サクヤ「まあ♡」

ニニギ「兄弟はいるの?」

サクヤ「石長比売(イワナガヒメ)という姉がいます。」

ニニギ「へえ~。君と結婚したい!!

 

きたーー!!

日本の神話おなじみのイキナリ求婚!

 

ニニギの「結婚したい。」というセリフですが、古事記には「目合わせむと欲ふ」と書いてあります。

これは、「一発やりたい♡」と訳したほうがより正解かもしれません。

けっこう身もフタもない表現のようなんです・・・

 

 

オオヤマツミ、たいそう喜ぶ

 

サクヤ「お父さんに聞いてみないと・・・」

 

ニニギの突然の求婚に驚いたコノハナサクヤヒメでしたが、その場で断ることはしないようですね。

 

ニニギは早速オオヤマツミに使者を送りました。

使者の話を聞いたオオヤマツミはとっても喜びます。

なんせ、相手はあの天照大御神(アマテラス)の孫です。

玉の輿です。

父が歓喜するのも当然です。

オオヤマツミは、たくさんの結納品を添えて、木花咲耶姫を差し出しました。

 

でも・・・

実は・・・

添えられていたのは、結納品だけではなかったんです・・・

 

そしてそのせいで、ニニギの身に取り返しのつかない異変が起こってしまうんです・・・

 

木花咲耶姫に添えられていたもの

こうして、木花咲耶姫はニニギのもとに到着しました。

 

ニニギ「よく来てくれたね、待ってたよサクヤ♡」

 

木花咲耶姫にそう言葉をかけたニニギ、

彼女の横に、もうひとり女性がいることに気づきます。

従者でしょうか・・・

ただ・・・

その容姿がまたなんとも・・・

 

超ぶさいく!!

 

【神社の神様の神話】石長比売(イワナガヒメ)

 

ニニギ「あの・・・この人だれ?」

サクヤ「姉の石長比売(イワナガヒメ)です。私と一緒にあなたに嫁ぎます♡」

ニニギ「えっ・・・ 」

イワナガヒメ「よろしく~、ブフ♡」

ニニギ「・・・!!」

 

ニニギは、イワナガヒメの容姿に恐れすら感じてしまいました。

どうするニニギ・・・!?

 

ニニギ「ブスは無理~!」

 

ニニギはにべもなく、イワナガヒメを突き返してしまいました。

そしてその夜、ニニギは木花咲耶姫とだけ交わったのです。

 

ニニギの寿命が・・・

イワナガヒメだけが返ってきたことを、父のオオヤマツミはとっても悲しみました。

実は、木花咲耶姫の結婚に姉のイワナガヒメを添えたのには、とっても大事な理由があったんです。

オオヤマツミは、ニニギに次のように申し送りました。

 

私が二人の娘を差し出したのには

大事な理由があったのです。

 

イワナガヒメがあなたの妻となれば

天津神の皇子(ニニギ)の命は

雪が降り、風が吹いても

常に岩のように固く長く動かず

変わらないでしょう。

 

木花咲耶姫を嫁にしたならば

桜の花が咲き誇るように栄えるでしょう。

 

そう誓約(うけい)をしていたのです。
(※誓約とは、古代の占いの一種)

 

ところが

あなたはイワナガヒメを送り返し

木花咲耶姫だけを留めたので

天津神の皇子(ニニギ)の寿命は

桜の花のように儚いものとなるでしょう・・・

 

 

こうして今に至るまで、天皇の寿命は限りあるものになったのです。

つづく

次の話:木花咲耶姫② 「 本当に俺の子なの?」と疑う邇邇芸命(ニニギ)

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