日本の神話の神様 久延毘古(クエビコ)。
案山子(カカシ)の姿をした、田んぼの神様なんですが、
天下のことは何でも知る、知恵と知識の神様でもあります。
この久延毘古(クエビコ)には、どんな逸話があるんでしょうか?
久延毘古(クエビコ)にまつわる神話と、お祀りしている神社やご利益などをご紹介します!
久延毘古(クエビコ)とはどんな神様?
久延毘古は案山子(カカシ)の姿をした神様です。
田の神様、山の神様、農業の神様でもあり、学業や知恵の神様としても信仰されています。
「崩彦(クエビコ)」という漢字を当てることもあって、「雨や風にさらされて、崩れかけている様子」を表現しているそうです。
昔は、「季節を迎えると、案山子には田の神様が降りてくる。」という信仰もあったようで、カカシが神様として敬われているのも自然な話ですね。
久延毘古(クエビコ)は謎の神の正体を看破する
さて、久延毘古(クエビコ)の神話についてです。
クエビコが登場するのは、大国主の国作りの神話。
神話の内容はこんな感じ…(古事記より)
これは、出雲の偉大な神様 大国主大神(オオクニヌシ)が、国作りをしている真っ最中のお話。
ある日の海辺でのこと。
大国主が海を眺めていると、沖から何か小さいものがやって来ました。
大国主「なんだあれ?」
良~く見ると、それは小さな小さな船でした。
おまけにその上には、これまた小さな神様が乗ってます・・・
大国主「おまえ誰?」
小さな神「・・・」
大国主「・・・」
会話になりません・・・
その時、一匹のカエルがこう言いました。
カエル「久延毘古(クエビコ))が知ってるケロ!」
クエビコとは、山の田んぼにいるカカシで田の神様。
とっても物知りな、知恵と知識の神様でもあります。
大国主がクエビコに訊いてみると・・・
クエビコ「それは 神産巣日神(カムムスビ)の子の、少彦名命(スクナヒコナ)ですな。」
神産巣日神(カムムスビ)とは、この世界に3番目に生まれてきた偉い神様。
以前、大国主が死んでしまった時に助けてくれています。
でも、カムムスビは天界にいるはずなのに、なぜ息子がここに?
大国主は、少彦名命のことをカムムスビに報告してみました。
カムムスビ「そりゃあ私の子だ!」
カムムスビ「以前、指の間からこぼれ落ちたんだよねえ。」
カムムスビ「大国主さあ。せっかくだから、少彦名と一緒に国作りしなさいよ。」
という訳で、少彦名(スクナヒコナ)は大国主の国作りを手伝うことに!
おしまい
という訳で、久延毘古(クエビコ)はスクナヒコナの正体を看破したのです。
この部分の詳しい神話はこちら!
久延毘古(クエビコ)の神格やご利益など
久延毘古の神格
- 田の神様
- 農業の神様
- 土地の神様
- 山の神
- 学業・知恵の神様
久延毘古のご利益(神徳)
- 五穀豊穣
- 農業守護
- 学業向上
- 試験合格
久延毘古をお祀りしている神社
- 久延彦神社(奈良県桜井市:大神神社末社)
- 久氐比古神社(石川県鹿島郡)
- 雨宮坐日吉神社(長野県千曲市)