国譲り神話② 新たな使者 天若日子(アメワカヒコ)の野望

国譲り第2話 神社の神様の神話
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国譲りを企んで、息子たちを送りこんだ天照大御神(アマテラス)ですが

長男のオシホミミは途中で引き返し・・・

次男のアメノホヒは大国主に寝がえり・・・

なんだかもう散々です・・・

そしてアマテラスは、新たな使者を送ることになるのですが・・・

その結果やいかに!

前回の話:神社の神様 国譲り神話① 奪え地上界!天照大神の策略

※挿絵は適当なので、突っ込みしないでね(‘ω’)

新たな使者は 天若日子(アメワカヒコ)

天穂日命(アメノホヒ)を遣いに出してからもう3年。

いまだになんの音沙汰もありません・・・

まあ、彼は寝返ってるのだから当然なのですが(-_-;)

 

困ったアマテラスと高御産巣日神(タカミムスビ)

国譲り神話 天照大御神 神様 神社

 

また思金神(オモイカネ)をはじめ、八百万の神々を集めて大会議です。

 

アマテラス「オモイカネ! あんたの推したアメノホヒさあ。」

アマテラス「遣いに行ったきり3年も連絡ないんだけど、これどうすんの!?」

オモイカネ心の声(どうすんのって、あんたの息子じゃろ・・・)

オモイノカネ「そうですなあ・・・ 今度は天若日子(アメワカヒコ)を使者にするべきですな。」

 

アメワカヒコは天界きってのイケメンで、弓の名手です。

 

神社の神様の神話 天の若日子

 

彼は天麻迦古弓(あめのまかこゆみ)と、天波波矢(あめのははや)を与えられ、颯爽と地上界へ向かいました。

  • 天麻迦古弓(あめのまかこゆみ)
    鹿をも一射で仕留める弓。光り輝く弓
  • 天波波矢(あめのははや)
    羽根のついた矢。鹿を射るための矢




天若日子の裏切り

こうしてアメワカヒコは地上界に降り立ち、

大国主大神国譲りの交渉を行うため、出雲の国までやってきたのでした。

さあ、アメワカヒコは大国主との交渉に挑みます!

その結果は!?

・・・

・・・・・・・

アメワカヒコは結婚しました(-_-;)

 

結婚した相手の名は下光比売命(シタデルヒメ)。

神社の神様の神話 下照比売(シタデルヒメ)

大国主と、その妻で「宗像三女神」の長女 多紀理毘売命(タキリビメ)の娘です。

参考:神社の神様 大国主の国作り⑨ 大国主の女性遍歴と子どもたち

 

一体なんでこうなったのか!?

  1. アメワカヒコはシタデルヒメに一目惚れした?
  2. 大国主に手なずけられた?

 

どっちなんでしょうねえ・・・

私は後者のような気がします・・・

だって、アメワカヒコは葦原の中つ国を乗っ取って、自分が王になろうと企んでいたのだから・・・

それを一枚上手の大国主に看破され、上手く丸め込まれたのでは・・・

どちらにしても、アメワカヒコが天津神を裏切ったのは間違いありません。

 

使いの鳥 雉の鳴女(ナルメ)

今度は8年待っても何の音沙汰もなし・・・

ほとほと困ったアマテラスとタカミムスビ。

またまた八百万の神様たちを集めます。

 

アマテラス「いったいどうなってんの!? 私は理由を知りたいのよ!」

オモイカネ「じゃあ、雉(きじ)の鳴女(ナルメ)を行かせましょう。」

アマテラス「じゃあナルメ! アメワカヒコに、なんで8年も戻らず、連絡さえくれないのか訊いてきて!」

ナルメ「わかりました~!」

 

神社の神様の神話 国譲り ナルメ

 

こうしてナルメは地上界にやって来ると、アメワカヒコの家の門の木に止まりました。

 

ナルメ「なんで8年も戻ってこないの? なんで連絡くれないの?」

 

それを聞いたのは怪しげな巫女さん、アメワカヒコにこう言います。

 

巫女「この鳥の鳴き声は不吉じゃあ! 殺してしまえ~!」

アメワカヒコ「よっしゃ~!」

 

グサッ!!

アメワカヒコは天界でもらった弓矢で、ナルメを射殺してしまいました。




天若日子死す!

ナルメの胸を貫通した矢は、勢い余って天界のタカミムスビのところまで飛んで行きました。

 

タカミムスビ「これは・・・!?  アメワカヒコにあげた矢やないか!」

 

羽根には血がべっとり・・・

 

神社の神様の神話 国譲り 矢

 

何かを悟ったのか、 タカミムスビはその矢を地上に向けると、

 

タカミムスビ「もしアメワカヒコが裏切ってないなら当たるな。」

タカミムスビ「邪心があるなら、矢に当たって死んじゃえ!」

 

そう言って突き返しました!

ぴゅ~~ん・・・・

ぐさっ!!

 

あ~・・・

当たってしまいました・・・

矢は寝ているアメワカヒコを貫き、彼を殺してしまったのでした。

 

アメワカヒコの葬儀

アメワカヒコを殺された妻のシタデルヒメ、もう泣きまくりです・・・

その泣き声は風に乗って、天界の義両親のもとまで届いたほど・・・

 

神社の神様の神話 国譲り 下照比売

 

アメワカヒコの死を知った父 天津国玉神(アマツクニタマ)は、

妻子をつれて地上界に降りてきて、やっぱり泣いて悲しみました。

そしてすぐに死体を安置する喪屋(もや)を造ると、まるまる八日間も歌舞いをして弔ったのです。

 

その時です!

誰かやって来ます・・・

それは・・・

 

神社の神様の神話 国譲り 

 

「・・・あれ!? アメワカヒコ?? 生きとったんかい!」

「うわ~ん! わかちゃ~ん!!」

 

そこにいたのはアメワカヒコ!?

みんな泣いて喜んで、彼の足に取りすがります。

ところが・・・

 

??「ちげ~よ! 俺はアメワカヒコじゃねえよ!!」

 

そう、彼の名は 阿遅志貴高日子根神(アジシキタカヒコネ)。

アメワカヒコにそっくりですが、シタデルヒメの兄なんです。

 

アジ「親友だから葬式に来たのに、死人と間違えんなよ!!」

 

ザシュッ!

どっこ~ん!!!

 

怒ったアジシキタカヒコネは、十束(とつか)の剣で喪屋を切り伏せ、足で蹴り飛ばしてしまいました。

この喪屋はなんと美濃の国まで飛んでいき、喪山という山になったそうです。

 

ちなみに、その剣の名は「大量(おおはかり)」。

またの名を「神度剣(かむどのつるぎ)」と言います。

 

シタデルヒメは怒って飛び去った兄を見て、なんでか歌を詠みます。

それはこんな内容でした・・・

 

天女が首にかけてる玉の首飾りってさあ。

玉の穴がすっごく光り輝いてるのね。

そんな感じで谷ふたつ超えて輝いている神は、

アジタカヒコネ(兄)なの!

 

なぜか兄を賛美・・・

葬式には合わない感じの歌ですね・・・

 

これでアメワカヒコのお話はおしまい。

この後いよいよ最後の使者が登場します!

つづく

次のお話:神社の神様 国譲り神話③ 最後の使者タケミカヅチ登場!

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