何度地上界に天津神を送りこんでも、国譲りは上手くいきません。
怖気づいたり、寝返ったり、結婚したり、なんやかんやでもう11年・・・
こうなったらもう、荒っぽくいくしかない!
そして選ばれた、国譲りの新たな使者とは・・・
前回のお話:神社の神様 国譲り神話② 新たな使者 天若日子(アメワカヒコ)の野望
国譲りの次の使者は誰!?
なんど使者を送っても上手くいかない国譲り。
たぶん、アマテラスさん怒り心頭だろうな~・・・
と思ったら、意外とそうでもありません。
またまた思金神(オモイカネ)や八百万の神様たちにこう言います。
アマテラス「今度は誰を送ったらいい?」
オモイカネ「こうなったらもう、剣神 天之尾羽張(アメノオハバリ)でいきましょう!」
オモイカネ「それか、息子の建御雷神(タケミカヅチ)ですな!」
お~、とうとう武神の名が挙がってしまいました。
これは強硬策ですかね・・・
天之尾羽張(あめのおはばり)
イザナギが、息子のヒノカグツチを切り殺した時に使った剣。
建御雷神(たけみかづちのかみ)
ヒノカグツチを切った時、剣の根元についた血が飛び散って生まれた神。
鹿島神宮(茨城県)の御祭神として有名です。
アマテラス「じゃあ、そのどっちかにしましょ!」
オモイカネ「でも、アメノオハバリのいる場所がなあ・・・」
アマテラス「なによ?」
オモイカネ「あいつ、上流の河をせき止めて道を塞いでるんで、会いに行けんのです・・・。」
オモイカネ「あっ、でも鹿の神の天迦久神(アメノカク) なら行けますぞい!」
ということで、伝令は鹿の神アメノカクに決まります。
国譲りの新たな使者!武神 建御雷神(タケミカヅチ)
さすが鹿の神アメノカク、道なき道をぴょんぴょんぴょん!
あっという間にアメノオハバリのもとに着きました。
アメノカクの伝令を聞いたアメノオハバリは・・・
オハバリ「わかりました。お引き受けしましょう。」
オハバリ「ただし、息子のタケミカヅチを行かせるべきでしょう。」
こうして武神 建御雷神(タケミカヅチ)は、船の神 天鳥船神(アメノトリフネ)に乗って、地上に降り立つのでした。
さあ、タケミカヅチの活躍はいかに!!
この神話が元となって、鹿島神宮の建御雷神(たけみかづちのかみ)の神使は鹿になったそうですよ。
鹿島神宮では、いまでも境内で鹿が飼われています。
つづく
次の話:神社の神様 国譲り神話④ 大国主とタケミカヅチの駆引き