なかなか上手くいかない国譲りに、業を煮やした天照大御神(アマテラス)と天津神たち・・・
とうとう武神 建御雷神(タケミカヅチ)を送り込みます!
国譲りの神話の結末はいかに!?
前回のお話:神社の神様 国譲り神話③ 最後の使者タケミカヅチ登場!
タケミカヅチと大国主の駆引き
天鳥船(アメノトリフネ)とともに、地上界の伊耶佐(いなさ)の小浜に降り立ったタケミカヅチ。
十束の剣(とつかのつるぎ)を抜いて、柄のほうを波の上に突き立てると、なんと剣先の上にあぐらをかいて座っちゃいました。
こんな感じ↓
お尻は大丈夫なのか・・・!?
伊耶佐(いなさ)の小浜
いまの島根県出雲市大社町の稲佐浜
十束の剣(とつかのつるぎ)
拳(こぶし)10個分の長さの剣のことで、「十束の剣」の名を持つ特定の剣が有るわけではないようです。
「束」は長さの単位で、1束=1拳分。
そして、なぜかそこにいた大国主大神に向かってこう言います。
タケミカヅチ「俺らはアマテラス様とタカミムスビ様の命でやって来た!」
タケミカヅチ「お前が支配してる葦原の中つ国は『私の子が治めるべき国』と命じられた!」
タケミカヅチ「おまえの考えはいかに!?」
ちょっと強気なタケミカヅチですが、大国主も負けていません。
彼のとった戦法は、のらりくらり作戦です!
大国主「いきなり来てそう言われてもねえ・・・」
大国主「息子の事代主神(コトシロヌシ)に訊いてみないとさあ・・・」
大国主「でもコトちゃん、狩りや漁をしに岬まで行ってて、まだ帰ってないんだよねえ。」
コトシロヌシは、大国主と妻の神屋楯比売命(カムヤタテヒメ)の間にできた子供です。
参考:神社の神様 大国主の国作り⑨ 大国主の女性遍歴と子どもたち
のらりくらりと話から逃げたかった大国主。
でもそうは問屋が卸しません・・・
タケミカヅチと事代主神(コトシロヌシ)
大国主の返答を聞いたタケミカヅチとアメノトリフネ。
ああそうですか、と引き下がったりしませんでした。
アメノトリフネ「じゃあ、オイラが連れてくるよ!」
大国主「え・・・?」
アメノトリフネは、あっという間にコトシロヌシを連れてきてしまいました。
それも事代主の乗っていた船ごと!
びっくり仰天のコトシロヌシ、もうビクビクです・・・
コトシロヌシ「わかりました。この国を天津神の御子に捧げますう・・・」
話を聞いて、あっさりそう言ったコトシロヌシ。
乗っていた船を踏んで傾けると、天の逆手(あめのさかて)を打って青柴垣(あおふしがき)に変え、その中に隠れてしまいました・・・
よっぽど怖かったんですねえ・・・
天の逆手(あめのさかて)
特殊な打ち方の柏手のこと。どんな打ち方かはっきりしませんが、「手の甲で打つ呪術的な柏手のことではないか。」と言われています。
青柴垣(あおふしがき)
昔の漁に使った仕掛けのことだそうです。
魚が一度入ると、二度と出られない仕掛けになってるんだとか。
タケミカヅチ「コトシロヌシはこう言ってるが!」
大国主「う~ん、そうなんですけどねえ・・・」
タケミカヅチ「他にもなんか言いたい奴がいるのか!?」
大国主「そうなんですよ~。息子の建御名方神(タケミナカタ)にも訊いてみないと・・・」
いよいよ、国津神最強とも言われる武神 タケミナカタが登場します!
そして事態はタケミカヅチとタケミナカタの一騎打ちに!
その結果やいかに~!?
つづく
次の話:神社の神様 国譲りの神話⑤ タケミカヅチとタケミナカタの死闘!