イザナミとひと悶着起こし、黄泉の国から命からがら逃げ帰ってきたイザナギ。
汚れた体を清めようと川で禊ぎをすると、神様がたくさん生まれました。
そして最後に生まれたのが 三貴子(みはしらのうずこ)。
これから物語は、そのうちのアマテラスとスサノオを中心に進んでいきます。
世界の分割統治
三貴子(みはしらのうずこ)の誕生を、イザナギはとっても喜びました。
イザナギ「たっくさん神を生んできたけど、神生みの最後に貴い神が三柱も生まれた!」
イザナギはアマテラスに首飾りを授けてこう言いました。
イザナギ「アマテラス、お前は高天原を治めなさい。」
続けてツクヨミとスサノオに、
イザナギ「ツクヨミは 夜の食国(よるのおすくに)を治めなさい。」
イザナギ「スサノオは海原を治めなさい。」
夜の食国(よるのおすくに)とは、夜の世界ってことで良いと思います。
ツクヨミは月を司る神様ですから。
ちなみに、ツクヨミが古事記に登場するのはこれで最後です。
泣いてばかりいるスサノオ
イザナギの命令通り、アマテラスとツクヨミはそれぞれの世界を治めていました。
でも・・・
スサオノだけは命令を守らず、ずっと泣き喚いていたのです。
アゴひげが伸びて胸に届いても、まだ泣いています。
あまりに激しく泣くので、緑の山々は枯れ果て、海も川も干上がってしまいました・・・
さらに、世界には邪神の声がうるさい夏のハエのように満ち、あらゆる禍(わざわい)が起こりました。
困ったイザナギ、スサノオに問いかけました。
イザナギ「おまえ、なんでそんなに泣いてんの?」
スサノオ「死んだイザナミ母ちゃんがいる 根堅洲国(ねのかたすくに)へ行きたいんだよ~」
根堅洲国(ねのかたすくに)
死者の国。黄泉の国の別名とも、違う世界だとも言われています。
イザナギは少し前に、死者の国にいるイザナミのもとから逃げかえって来たばかり。
しかもイザナミとは事実上の離婚をしています・・・
だからイザナギは激怒しました!
イザナギ「そんなん言うなら、お前なんか出てけ~!!」
こうしてスサノオは追放されしまったのでした。
ちなみに、イザナギが古事記に登場するのはこれで最後です・・・
追放されたスサノオはどうなってしまうのか?
これから、スサノオの破天荒な行動が始まります!
つづく