邇邇芸命(ににぎのみこと)と言えば、天照大御神のお孫さん。
瓊瓊杵尊とも書きます。
あの天孫降臨の神話の主人公で、天皇の家系のメインルートにいる神様です。
そんな邇邇芸命(ニニギ)ですが、ちょっとあけすけな性格の神様のようです。
神話を読んでみると面白いですよ。
超古代生まれなのに、なんだか現代っ子みたいな神様です。
その天然っぽい性格が、いろんな騒動を引き起こします!
邇邇芸命(ににぎのみこと)ってどんな神様?
邇邇芸命(ニニギ)はあの天照大御神の孫。
父は天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)。
ニニギの本名は長いですよ~
ニニギの正式名
天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命
(アメニギシ クニニギシ アマツヒコヒコ ホノニニギ ノミコト)
名前の意味はこんな感じ・・・
天邇岐志(アメニギシ)
天がにぎわい
国邇岐志(クニニギシ)
地がにぎわい
天津日高(アマツヒコ)
高天原に生まれた神
日子(ヒコ)
日の神(アマテラス)の子孫
番能邇邇芸(ホノニニギ)
穂がにぎやかに実る
ニニギは父の代わりに地上界へ天降りしました。
実は、ニニギの父がちょっとアレな神様だったんですよね・・・
詳しくはこちら↓
ただ、神話を読む限り、ニニギもけっこうイイ性格してます。
天然系というか、あけすけにモノを言う性格というか・・・
その天然さが分かる逸話(神話)を、抜粋して紹介します。
ニニギが神話に登場するのは、天孫降臨の章です。
邇邇芸命(ニニギ)の面白い神話①
これはニニギが天降った後、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)に出会った時のお話です。
アマテラスの命により、地上界を統治するため日向(ひむか)の高千穂(九州南部)に天降りした邇邇芸命(ニニギ)。
ある日のこと、岬を歩いているとひとりの少女に出会いました。
ニニギ「うん・・・? うわ、めちゃ可愛い♡」
その少女こそが、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)だったんです。
ニニギは、彼女にひと目惚れしてしまいました。
そしてこう言います。
「君と一発やりたい!」
おいおい、直球勝負か~!
古事記には、このセリフは「目合わせむと欲ふ」と書いてあります。
「エッチしたい」って意味です・・・
あけすけな言い方ですが、つまりは求婚なんです、求婚!
さて、木花咲耶姫の父の大山津見神(オオヤマツミ)。
娘が天照大御神の孫と結婚できると聞いて大喜び!
たくさんの結納品を添えて、木花咲耶姫を嫁に出しました。
ところが・・・
添えられていたのは、結納品だけじゃなかったんです・・・
さて、木花咲耶姫を出迎えたニニギ。
彼女の横に、もうひとり女性がいることに気づきます。
従者でしょうか?
ただ・・・
その容姿がまたなんとも・・・
めっちゃブサイク!!
ニニギ「あの・・・この人だれ?」
サクヤ「姉の石長比売(イワナガヒメ)です。私と一緒にあなたに嫁ぎます♡」
ニニギ「えっ・・・ 」
イワナガヒメ「よろしく~、ブフ♡」
ニニギ「・・・!!」
ニニギは、イワナガヒメの容姿に圧倒されています。
このブサイクも俺の嫁・・・?
どうするニニギ・・・!?
ニニギ「ブスは無理~!!」
ニニギまさかの魂の叫び!
そしてニニギはにべもなく、イワナガヒメを突き返してしまいました。
でも、オオヤマツミが娘ふたりをセットで寄こしたのには、大きな理由があったんです。
これが、オオヤマツミがニニギにあてた言葉です。
私が二人の娘を嫁に出したのには
大事な理由があったのです。
イワナガヒメがあなたの妻となれば
天津神の皇子(ニニギ)の命は
雪が降り、風が吹いても
常に岩のように固く長く動かず
変わらないでしょう。
木花咲耶姫を嫁にしたならば
木の花が咲き誇るように栄えるでしょう。
ところが
あなたはイワナガヒメを送り返し
木花咲耶姫だけを留めたので
天津神の皇子(ニニギ)の寿命は
桜の花のように儚いものとなるでしょう・・・
というわけで、今に至るまで、天皇の寿命は限りあるものになったのです。
なんだか、ニニギって天然はいってますよね・・・
でも、木花咲耶姫も負けてはいません!
軽薄なニニギに対して、木花咲耶姫がブチきれちゃいます。
邇邇芸命(ニニギ)の面白い神話②
これは、ニニギと木花咲耶姫が結ばれた(一発やった)後のこと。
サクヤ「わたし、妊娠しちゃった♡」
ニニギ「ふ~ん…って、え~~!?」
サクヤ「うふ♡」
ニニギ「ちょっと待って!妊娠したって、まだ一発しかやってないのに!?」
サクヤ「え・・・?」
なんか雲行きが怪しくなってきました・・・
ニニギ「それ、ほんとに俺の子!?」
ニニギ「どっかの国津神の子じゃないの~!?」
あ~、言ってしまった・・・
さすが天然ニニギ・・・
今も昔も、軽薄な男って同じですよねえ・・・
これに木花咲耶姫はブチ切れます。
当然です。
そして、びっくりする行動に出ちゃいます。
なんと、産屋に入ると出入り口を塗り固め、そこに火を放ってしまったんです!
サクヤ「子供があなたの子じゃなかったら無事に生まれない!」
サクヤ「あなたの子なら無事生まれる!」
ニニギ「おいおいおい~!」
産屋は、次第に大きな炎に包まれていきます・・・
これはヤバいか・・・!?
その時です!
おぎゃあ!おぎゃあ!
赤子の声が聞こえてきました!
木花咲耶姫は、炎の中で三柱の子を産んだのでした。
その子らの名は・・・
こうして木花咲耶姫は、子供たちがニニギの子であることを証明(?)したのでした。
ね、ニニギってとってもアレな神様でしょう?
ちなみに、この時生まれた 火遠理命(ホオリ)の孫が、初代天皇 神武天皇になります。
邇邇芸命(ニニギ)の神格・ご利益
邇邇芸命(ニニギ)のご神格
- 稲穂の神
- 農耕の神
- 皇統の祖神
邇邇芸命(ニニギ)のご利益
- 五穀豊穣
- 国家泰平
- 家内安全
- 厄除け
- 富貴栄達
邇邇芸命(ニニギ)をお祀りする主な神社
- 霧島神宮(鹿児島県霧島市)
- 新田神社(鹿児島県薩摩川内市)
- 高千穂神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
- 日向大神宮外宮(京都府京都市山科区)
- 国見神社(奈良県御所市)
- 子安神社(三重県南牟婁郡紀宝町)
- 射水神社(富山県高岡市)
- 築土神社(東京都千代田区)
- 常陸國總社宮(茨城県石岡市)
- 伊豆山神社(静岡県熱海市)
父と共にお祀りされています。
関連する神様・神話
神様
天照大御神
(アマテラスオオミカミ)
天之忍穂耳命
(アメノオシホミミ)
天宇受売神
(アメノウズメ)
木花咲耶姫
(コノハナサクヤヒメ)
石長比売
(イワナガヒメ)
大山津見神
(オオヤマツミ)
神話
日本の神様の神話 天孫降臨(全5話)
日本の神様の神話 木花咲耶姫(全2話)