出雲の地に大繁栄する国を築き上げた、国津神の盟主 大国主命(おおくにぬし)。
神話によると、意外にも若い頃はちょっとひ弱な青年だったようです。
それが数々の試練を乗り越えて、偉大な大神に・・・
いったい大国主命とはどんな神様なのか?
その神話を中心にご紹介していきます!
大国主命の神話はかなり面白いですよ!
大国主の神話
大国主は 国作りの神話の主人公なんですが、この神話がとっても面白いんです!
かなりの冒険物語になってます!
ただ、かなり長~いお話なので、ここでは簡単に紹介していきますね。
大国主の神話を詳しく読みたいならこちらへ!
オオナムチ(大国主)はウサギを助けた
大国主の以前の名はオオナムチ。
たくさんの兄たち(八十神:やそがみ)にこき使われている、まだまだひ弱な青年でした。
ある日のこと。
「因幡に八上比売(ヤガミヒメ)っていう美しい姫がいる」
という噂を聞きつけ、八十神兄さんたちは求婚の旅にでました。
行列の最後尾にはオオナムチもいます。
大きな荷袋を背負っていて、まるで従者のようです・・・
そんなオオナムチ、旅の途中で皮をはがれたウサギに出逢います。
苦しむウサギに治療方法を教えてあげると、ウサギはある預言をしてくれたのでした。
ウサギ「八上比売と結婚するのはあなたです~!」
これが因幡の白兎の神話。
先が長いので、かなり端折りました・・・
詳しい神話はこちらで!
オオナムチは二度殺される・・・
八上比売(ヤガミヒメ)に求婚した八十神兄さんたち。
ヤガミヒメ「私はオオナムチと結婚するの♡」
あえなく撃沈・・・
八上比売がなんでオオナムチのことを知っていたのかはともかく、
八十神兄さんたちは嫉妬に狂いました。
八十神「オオナムチさえいなければ・・・!」
八十神「そうだ、殺してしまえ!」
てなわけで、おオオナムチは八十神兄さんたちに2度も殺されてしまいます。
えっ、2度も・・・?
ってことは生き返ったの?
そう思ったあなた、正解です!
オオナムチは2度殺され、2度生き返ります!!
そして3度殺されそうになった時、あの偉大な英雄 須佐之男命(スサノオ)を頼って、死者の国へと逃げたのでした。
オオナムチはスサノオにも殺されそうになる
なんとか死者の国にたどり着いたオオナムチ。
するといきなり美しい女性に出逢います!
スサノオの娘の須勢理毘売命(スセリビメノミコト)です。
オオナムチ「美しい… 結婚しよう!」
スセリビメ「はい♡」
なんと、ふたりは出逢った瞬間に結婚してしまいました・・・
日本の神話ではよくあることです・・・
でも、これが裏目に出たのか・・・
スサノオは、オオナムチに対して過酷な試練を課すのでした・・・
その試練は、「これってただの嫌がらせ?」「もしかして俺を殺したいの?」ってレベルの酷いものでした・・・
オオナムチは、スセリビメの絶妙なフォローやネズミに助けられながら、この試練を乗り越えます。
そして最後には駆け落ちしちゃうんです。
この時、数々の試練を乗り越えてきたオオナムチは、大きく成長していました。
スサノオの嫌がらせ 試練は決して無駄ではなかったんです!
そしてオオナムチは、大国主(偉大な国の主)と名乗り始めます。
大国主は恋多きイケメン
もともと八上比売(ヤガミヒメ)のために過酷な運命にさらされたのに、
途中で須勢理毘売命(スセリビメ)と結婚してしまったオオナムチ。
そのイケメンぶりはとどまらず、その後もいろんな女性とラブストーリーを繰り広げます。
そのせいでヤガミヒメは実家に逃げ帰るは、スセリビメは嫉妬に狂うは、もう大変・・・
でも、大きな国を治めるには、たくさんの子が必要だったんでしょう。
大国主のつくった子の数はなんと180柱!(181柱とも言われています)
大国主は少彦名命(すくなひこな)と出逢う
女性相手だけでなく、国の政にも力を入れないといけない大国主。
そんなある日、大国主に強力なパートナーが現れます。
それはとってもとっても小さな神様。
名前は少彦名命(スクナヒコナ)。
天界の重鎮 神産巣日神(カムムスビ)の子で、あの一寸法師の原型ともいわれています。
偉大な 葦原の中つ国 ここに完成!
大国主は、スクナヒコナと力を合わせて国を繁栄させていきました。
途中でスクナヒコナは去ってしまうのですが、新たな協力者も現れます。
そして 偉大な国 葦原の中つ国が完成しました!
大国主の国作りはここに成ったのです!
参考:
大国主はアマテラスに国を譲り渡す・・・
あんなに頑張って作った葦原の中つ国でしたが、危機が訪れます。
天界(高天原)の天照大御神が、「葦原の中つ国を譲れ!」と使者を送って来たんです。
でも、大国主も負けてません!
老練な手腕を発揮して、これを二度もかわします。
これに業を煮やした天界の神様たち。
第3の使者に武神 建御雷神(タケミカヅチ)を送り込んできました・・・
大国主は、のらりくらりと対応してかわそうとします。
でも、二人の息子も降参しもうどうしようもありません・・・
そして、とうとう国譲りを承諾したのでした。
大国主の神格や神社など
大国主の別称
- 大穴牟遅神(おおなむちのかみ)
- 大己貴命(おおなむちのみこと)
- 葦原色許男神(あしはらしこおのかみ)
- 八千矛神(やちほこのかみ)
- 宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)
大国主は他にもたくさんの別称を持っています。
大国主の神格
- 国作りの神
- 医療の神
- 農業神
- 商業神
- 縁結びの神
大国主大神をお祀りする神社
- 都農神社(宮崎県)
- 出雲大社(島根県出雲市)
- 金毘羅宮(香川県)
- 射楯兵主神社(兵庫県姫路市)
- 大神神社(奈良県桜井市)
- 大和神社(奈良県天理市)
- 日吉大社西本宮(滋賀県大津市)
- 気多神社(石川県羽咋市)
- 氷川神社(埼玉県大宮市)
- 大洗磯前神社(茨城県)
- 酒列磯前神社(茨城県那珂湊市)
- 北海道神宮(札幌市) など