出雲系の盟主 大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)。
日本神話では 国作りの章の主人公です。
それに、国譲りの章でもメインキャラですね。
国作りの神話は、大国主の成長と繁栄の物語。
とっても面白い冒険活劇になっていますよ!
そんな国作りの神話を、解り易く、そして面白く紹介していきます!
今回は、大国主と因幡の白兎(いなばの白うさぎ)のお話です!
オオナムチと八十神(ヤソガミ)
大穴牟遅神 ( オオナムチノカミ )は出雲の神様で、たくさんの兄弟の末っ子です。
名前の意味は「穴の中の偉大な神」。
後に大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)となる偉大な方です。
ちなみに、あのスサノオの6代目の子孫でもあります。
でも、オオナムチは今はまだヒヨッ子・・・
たくさんいる兄たち(八十神:ヤソガミ)にこき使われています。
八十神(ヤソガミ)とは「たくさんの神」という意味であり、別に神様が80柱いる訳ではないのです・・・
そんなある日のこと・・・
因幡には、とっても美しい八上比売(ヤガミヒメ)という姫がいたのですが・・・
兄たち「ヤガミヒメ可愛いよ~♡」
兄たち「ヤガミヒメは俺の嫁~♡」
兄たち「因幡に求婚しにいくで!」
こうして八十神とオオナムチは、因幡への旅に出ました。
旅の行列の最後尾はオオナムチ。
大きな荷袋を背負っていて、まるで従者のようです・・・
皮を剥がれたウサギ
八十神が気田(けた)の岬を通りかかった時です。
皮をむしられて、皮膚が真っ赤になって横たわっている、一匹のウサギに出会いました。
痛がって苦しむウサギに、八十神はいじわるしちゃいます。
八十神「海水浴びてさ~、風にあたってさ~、山の上で寝てれば治るよ~」
アドバイス通りに実行したウサギは・・・
ウサギ「んぎゃ~~~!もっと痛くなったよう~!!」
海水が乾くと、皮膚がヒビだらけになって激痛に襲われたんです!
八十神たちは苦しむウサギを見て、笑いながら行ってしまいました。
そこに遅れてやってきたオオナムチ。
オオナムチ「なんで泣いてんの?」
うさぎ「それがですね・・・」
うさぎの返答はこんな感じ・・・
隠岐の島に住んでるうさぎさん。
なんとか海を渡りたくて、サメを騙そうとしました。
うさぎ「サメさん、たくさんいるねえ。でもオイラの一族も多いぜえ!」
うさぎ「どっちが多いか数えてやるから、この島から気多の岬まで並びなよ~」
うさぎ「そしたらさ、オイラが上を跳んで数えてあげるよ~」
まんまと騙されたサメはズラーッっと一列に並びました。
うさぎ「しめしめ、上手くいったぞ~」
でも、うさぎはちょっとおバカさんだったんです・・・
気多岬までサメの上をピョンピョン飛んで移動したのですが、
もう少しで着くぞってときに、こう言ったんです。
「うっそぴょ~ん!」
黙ってりゃいいのに、何で言うかな・・・
それを聞いた一番端のサメが、怒ってうさぎの皮をはぎ取ってしまいました・・・
そして、八十神のアドバイスでえらいことに・・・
優しいオオナムチのアドバイス
うさぎの話を聞いたオオナムチ、こうアドバイスします。
オオナムチ「すぐに河口へ行ってさ、真水でその体を洗いなよ。」
オオナムチ「そんでさ、蒲の穂の花粉を敷き散らして、その上でゴロゴロするんだよ。」
オオナムチ「そうすれば傷も治るさ!」
なんと適切なアドバイス!
蒲の花粉には、血止めや鎮痛作用があるんです。
この神話から、オオナムチは「医療の神」とも言われています。
うさぎの恋の予言
オオナムチが先へ進もうとした時です。
うさぎがこんな予言をしました。
うさぎ「あなたの兄たちは、みんなヤガミヒメに振られちゃいます。」
うさぎ「あなたは袋担ぎなんて卑しい仕事をしてるけど、ヤガミヒメと結ばれるのはあなたです!」
なんてこったい、うさぎは神通力を持っていたのでしょうか!?
このうさぎの予言、どうなることでしょう・・・
つづく
次のお話:神社の神様 大国主の国作り② 八十神の陰謀…生き抜け!オオナムチ
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神話
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神社
★白子神社(千葉県)大国主大神=玄武大帝として祀る神気が満ちた場所