スサノオによる蛇の試練、ムカデと蜂の試練を乗り切った大穴牟遅神 （ オオナムチ）。
しかし、本当の試練はまだこれからなのでした・・・
前回のお話：神社の神様 大国主の国作り④ スサノオとの出逢いと新たな試練
オオナムチ危うし！スサノオの火攻め
スサノオは、鏑矢（かぶらや）を野原に向けて打ち放ちました。
鏑矢（かぶらや）とは、音を立てて飛ぶように細工した矢のこと。
ひゅ～～～ん
鏑矢は音を立てて、野原のはるか遠くまで飛んで行ってしまいます。
スサノオ「オオナムチよ、いま放った矢を取ってこい！」
オオナムチ心の声（え～…、どこに行ったか分んねえよ～…）
でも、ここは行くしかありません。
オオナムチは野原へ入っていきます。
その時でした！
なんと、スサノオが野原に火を放ったのです！
オオナムチ「え～～っ！ まじ！？」
オオナムチ「ちょっとやり過ぎじゃないの！？」
なんて、オオナムチは思ったかもしれません・・・
でも、もう遅い！
炎はあっという間にオオナムチを囲い、逃げ場を失ってしまいました。
オオナムチを助けたのはネズミさん
火に囲まれて逃げ場なし。オオナムチ絶体絶命の危機！
今度こそ死んでしまうのか？（もう2度も死んでるけどね）
そこに現れたのは、一匹のネズミ！
ネズミ「内はほらほら、外はすぶすぶ」
（内には空洞があって、出入り口は細くなってるよ）
そう言って、地面を踏むような仕草をしています。
どうも、地下に大きな穴があるから、そこに逃げ込め！と言ってるようです。
オオナムチは、ネズミの言うとおりに地面を踏みつけてみました。
どしゃっ！
地面が一気に崩れて、穴の中に落ち込んだオオナムチ！
その穴のおかげで、無事に火事をやり過ごすことができたのでした。
そして奇跡は続きます！
なんと、ネズミが鏑矢を咥えて持ってきてくれたのです！
なんと素晴らしいネズミなんでしょう！
この神話が元となり、大国主大神の神使（しんし、かみのつかい）はネズミになったそうです。
オオナムチ、火の海からの生還！
スサノオ「これは死んだな・・・」
スセリビメ「死んじゃった・・・」
ごうごうと燃える草原を見た親子は、そう確信したのでした・・・
スセリビメは、せめて葬式をと思い、泣きながら焼け跡にやって来ました。
スサノオも一緒です。
その時です！
焼け野原の向こうに、鏑矢を握りしめたオオナムチが現れたのです！
怪我もなく、とても元気そうです。
スセリビメ「オオナムチ様！！」
スサノオ「なんとしぶとい奴じゃ…」
こうして、オオナムチはスセリビメとの結婚を許され・・・ませんでした。
オオナムチには、スサノオの最後の試練が待ち受けていたのです。
しつこいですねえ・・・
つづく
次のお話：神社の神様 大国主の国作り⑥ 最後の試練とオオナムチの駆け落ち
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