大国主の国作り⑦ イケメン大国主の恋模様

神社の神様 大国主の国作り
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前回、スサノオの力を受けて、八十神の兄たちを打ち滅ぼした大国主大神(オオクニヌシ)

いよいよ国作りを始めるのですが・・・

イケメンゆえか、色恋沙汰もなかなかです・・・

前回のお話:神社の神様 大国主の国作り⑥ 最後の試練とオオナムチの駆け落ち

八上比売(ヤガミヒメ)との契りと破局

須佐之男命(スサノオ)の娘の須勢理毘売命(スセリビメノミコト)を正妻に迎えたオオクニヌシ。

八上比売(ヤガミヒメ)のことなんて、もう忘れてしまったのかと思っていたら・・・

しっかり覚えてました。

オオクニヌシ、ひとつも悪びれずにヤガミヒメをお迎えに行きます。

 

神社の神様 大国主の国作り

 

なんて女ったらし!

なんて、現代人の感覚だと思ってしまうのですが・・・

いえいえ、それは考え違いです。

 

オオクニヌシは「偉大な国の主」なのです!

一夫多妻なんて当然のこと(#^.^#)

むしろ国を繁栄させていくために、妻を何人も娶って、子供をたくさん作らなければいけません。

たぶん・・・

 

というわけで、ヤガミヒメは大国主と契りを結び、宮殿に連れて来られたのですが・・・

そこには正妻のスセリビメが・・・

しかも・・・

恐ろしい!

 

神社の神様 大国主の国作り 恋多き大国主大神

 

古事記には、「ヤガミヒメはスセリビメを恐れて・・・」としか書いていませんが

いろいろときつく当たられたり、苛められたりしたんでしょうか・・・

 

ヤガミヒメ「こわ~・・・(・_・;)」

 

神社の神様 大国主の国作り

 

ヤガミヒメ「もうだめ! こんなとこいられない!」

 

ヤガミヒメはわが子を木の俣に置いて、実家へ帰ってしまいました。

オオクニヌシ、ヤガミヒメと痛恨の破局・・・

置き去りにされた子は、木俣神(キノマタノカミ)、御井神(ミイノカミ)と呼ばれ、木の神・安産の神として崇められています。




新たなる女性を求めて!その名はヌナカワヒメ

ある日、オオクニヌシはこんな話を耳にします。

“ 高志国(コシノクニ)に超美人な姫がいるってさ ”

 

その姫の名は沼河比売(ヌナカワヒメ)。

それを聞いては黙っていられないオオクニヌシ。

さっそく求婚するために高志国へ向かいました。

 

高志国(コシノクニ)
越国(コシノクニ)とも書く。いまの福井県敦賀市から山形県庄内地方の一部あたりまでの地域。

 

オオクニヌシのラブソング

ヌナカワヒメの家に着いたオオクニヌシ、さっそく婚活開始です!

ところで、オオクニヌシとヌナカワヒメとの物語は、

ふたりが詠みあった歌によって進んでいきます。

つまり歌物語。

 

まあ、古代のラブソングのようなものなのですが、

現代人の私たちには、とっても理解しづらいです・・・

だから、ここでは適当に意訳していきますね。

 

オオクニヌシの歌

オオクニヌシが詠んだ歌はこんな感じ・・・

 

八千矛(ヤチホコ)の神はさ。

あ、これ俺のことね。

日本の中じゃ妻を見つけられなくてさ。

遠い北陸にどえらい美しい女性がいるって聞いて、すぐ求婚しに来たのさ。

 

それでここに着いてさ。

刀も差したまま、上着も脱がないままで

君が寝てる家の戸をゆすったり、引いたりしてるんだよ。

 

そしたら鵺(ヌエ)は鳴くは、雉は騒ぐは、鶏(ニワトリ)まで鳴くんだよ・・・

 

神社の神様 大国主の国作り にわとり

 

苛立たしく鳴く鳥たちめ…(怒)

鳴き止ませくれ、天の使いの鳥よ

 

 

歌の内容からすると・・・

オオクニヌシは夜中に着いて、寝てる女性の家の戸をガタガタやったようです。

ちょっとヤバイ人なのか・・・

それとも、一国の主たる者ならこんなもんなのでしょうか・・・

 

また、鶏(ニワトリ)が鳴いたってことは、

ガタガタやってるうちに、夜が明けてしまったんですかね・・・




ヌナカワヒメの返歌

大国主の愛の歌を聴いたヌナカワヒメ。

 

神社の神様 大国主の国作り ヌナカワヒメ

 

戸は開けませんでしたが、ふたつの歌を詠み返しました。

 

一首目

八千矛(ヤチホコ)の神さまへ。

私ってナヨッとした草のような女だから、心は入り江にいる鳥みたいなんです。

今はこんな私だけど、いずれ貴方のものになるのだから怒らないで。

 

二首目

次の夜にはきっと出迎えますから。

貴方は朝日が輝くようにニッコリ笑って

私の白い腕や、柔らかい胸に触れたり撫でたり

私の手を枕にして寝られるんだから

そんなに焦らないで♡

オオクニヌシ様へ

 

 

まあ、だいたいこんな感じの歌のやり取りをしたんです。

オオクニヌシはこの返歌に納得したのか、その日に会うことは諦めます。

そして二人は次の夜に会い、とうとう結ばれたのでした。

つづく

次のお話:神社の神様 大国主の国作り⑧ 大国主とスセリビメの恋歌




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