スセリビメを正妻にし、ヤガミヒメと契りを交わし、新しくヌナカワヒメを娶ったオオクニヌシ。
これで妻は3人になりました。(ただしヤガミヒメには逃げられた。)
でも、これだけじゃあないんです。
オオクニヌシの恋愛事情は、まだまだこれからガンガン続きます!
前回のお話:神社の神様 大国主の国作り⑧ 大国主とスセリビメの恋歌
オオクニヌシの女性遍歴
オオクニヌシは、どんどん妻を娶り、数えきれないほどの子をなします。
それはオオクニヌシが女好きなイケメンだったから・・・というよりも、
国作りのための政略結婚だったのでしょう・・・
古事記には、ここからのオオクニヌシの女性遍歴については
「○○と結婚して、○○という子を生んだ・・・」
というような記録が、ただ機械的に続いているだけです。
これをそのまま書いても、たぶん訳が分かりません・・・
なので6人の妻を中心にして、簡単にまとめておきますね。
大国主と6人の妻(とその子神)
大国主が娶った妻で、古事記に出てくる女神さまは6柱。
この6柱の神様についてご紹介します。
ちなみにイメージの挿絵は適当です・・・
八上比売(ヤガミヒメ)
八上比売(ヤガミヒメ)は、オオクニヌシが最初に出逢った因幡の美しい姫。
正妻のスセリビメが怖くて、子どもを置いて実家に逃げ帰っちゃいました。
子は木俣神(キマタノカミ)。
須勢理毘売命(スセリビメ)
須勢理毘売命(スセリビメ)は、スサノオの娘。大国主の正妻となりました。
子どもはいないようです。
沼河比売(ヌナカワヒメ)
沼河比売(ヌナカワヒメ)は、高志国(こしのくに:北陸地方)の美しい姫。
子は建御名方神(タケミナカタ)。諏訪神社の御祭神で、国譲りの神話に登場します。
多紀理毘売命(タキリビメ)
多紀理毘売命(タキリビメ)は、宗像三女神の長女。
福岡県の宗像神社にお祀りされています。
アマテラスとスサノオの誓約(ウケイ)のとき、スサノオの剣から成った神です。
「スサノオの子」と言って差し支えありません。
子は阿遅鋤高日子根神(アヂスキタカヒコネ)と、下光比売命(シタテルヒメ)。
神屋楯比売命(カムヤタテヒメ)
神屋楯比売命(カムヤタテヒメ)は、その素性がよく判っていません。
古事記には名前しか出てこないし、日本書紀には名前すら出てこないんです。
子は事代主神(コトシロヌシ)。国譲りの神話に登場し、恵比寿様と同一視されています。
鳥取神(トトリ)
鳥取神(トトリ)は、スサノオのお孫さんです。
この神の家系については
「○○神の子は□□神で、その神の子は△△神で・・・」
と延々と述べられており、みんなひっくるめて十七世神(とおあまりななよのかみ)と呼ばれています。
17世代にわたる神様って意味ですが、古事記には10柱しか書いてありません・・・
記録にない妻もたくさんいた?
大国主の妻として古事記に登場するのは、先の6柱の神様だけです。
でも・・・
たぶん・・
もっとたくさんいたと思います!
だって、大国主神には子供が180柱もいるんですから!
これが、大国主が「女好き」「色男」などと言われる理由です。
でも、ほんとは国作りのために、政略結婚を重ねた結果なのかもしれませんね。
つづく
次のお話:神社の神様 大国主の国作り⑩ スクナビコナとの出会い
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