日本には山の神様はたくさんいますが、
その中でも代表的な存在が 大山津見神(おおやまつみのかみ)。
この神様にはどんな神話があるんでしょう?
大山津見神の神話やご利益、お祀りしている神社についてご紹介します!
大山津見神ってどんな神様?
大山津見神といえば、山の神様の代表格。
日本国土や神々を生んだ、あの伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)の子の一柱です。
古事記の神話では、邇邇芸命(ニニギ)の天孫降臨の章に登場します。
さて、どんな神話なんでしょうか?
大山津見神の神話
大山津見神が登場する神話は天孫降臨の章。
天照大御神の孫の邇邇芸命(ニニギ)と、大山津見神の娘 木花咲耶姫(このはなさくやひめ)のラブストーリーに登場します。
このお話、天然であけすけなニニギのせいで、とても面白いストーリーになってます!
神話の内容はこんな感じ・・・
天照大御神の命により、地上界を統治するため日向(ひむか)の高千穂(九州南部)に天降りした邇邇芸命(ニニギ)。
ある日のこと、岬を歩いているとひとりの少女に出会いました。
ニニギ「うん・・・? うわ、めちゃ可愛い♡」
その少女こそが、大山津見神の娘 木花咲耶姫だったんです。
ニニギは、彼女にひと目惚れしてしまいました。
そしてこう言います。
「君と一発やりたい!」
おいおい、直球勝負か~!
古事記には、このセリフは「目合わせむと欲ふ」と書いてあります。
「エッチしたい」って意味です・・・
あけすけな言い方ですが、つまりは求婚なんですね。
さて、父の大山津見神(オオヤマツミ)。
娘が天照大御神の孫と結婚できると聞いて大喜び!
オオヤマツミ「でかした!可愛い娘よ!!」
てな感じで、たくさんの結納品を添えて、木花咲耶姫を嫁に出しました。
ところが・・・
添えられていたのは、結納品だけじゃなかったんです・・・
さて、木花咲耶姫を迎えたニニギ。
彼女の横に、もうひとり女性がいることに気づきます。
従者でしょうか?
ただ・・・
その容姿がまたなんとも・・・
めっちゃブサイク!
ニニギ「あの・・・この人だれ?」
サクヤ「姉の石長比売(イワナガヒメ)です。私と一緒にあなたに嫁ぎます♡」
ニニギ「えっ・・・ 」
イワナガヒメ「よろしく~、ブフ♡」
ニニギ「・・・!!」
ニニギは、イワナガヒメの容姿に圧倒されています。
このブサイクも俺の嫁・・・?
どうするニニギ・・・!?
そして・・・
「ブスは無理~!!」
ニニギはにべもなく、イワナガヒメを突き返してしまいました。
でも、オオヤマツミが娘ふたりをセットで寄こしたのには、大きな理由があったんです。
これが、オオヤマツミがニニギにあてた言葉です。
私が二人の娘を嫁に出したのには
大事な理由があったのです。
イワナガヒメがあなたの妻となれば
天津神の皇子(ニニギ)の命は
雪が降り、風が吹いても
常に岩のように固く長く動かず
変わらないでしょう。
木花咲耶姫を嫁にしたならば
桜が咲き誇るように栄えるでしょう。
ところが・・・
あなたはイワナガヒメを送り返し
木花咲耶姫だけを留めた。
だから天津神の皇子(ニニギ)の寿命は
桜の花のように儚いものとなるでしょう・・・
というわけで、今に至るまで、天皇の寿命は限りあるものになったのです。
どうです?
ニニギってかなり天然系でしょ?
ちなみに、ニニギは木花咲耶姫のいとこの息子(従甥)に当たります。
血筋が近いですね。
神話にはよくあることです。
兄妹で結婚する神様もザラですからね。
ニニギの神話を詳しく知りたい方は、こちらで読めますよ!
大山津見神の神格、ご利益など
大山津見神の別名
大山祇神
(おおやまつみのかみ)
大山積神
(おおやまつみのかみ)
和多志大神
(わたしのおおかみ)
伊予国風土記では、和多志大神と呼ばれているのですが、「わた」は海を意味しています。
愛媛県(伊予)の島にある大山祇神社では、大山津見神は「山と海の神」とされているんです。
山の神なのに、海の神としての神格もあるなんて面白いですね。
酒解神
(さけとけのかみ)
大山津見神は、娘の結婚を祝ってお酒を造ったという神話から、酒造の神様としても信仰されています。
大山津見神の神格
- 山の神
- 海の神
- 酒造の神
大山津見神のご利益(ご神徳)
- 山林守護
- 林業守護
- 鉱業守護
- 農業守護
- 漁業・航海守護
- 酒造守護
大山津見神をお祀りする神社
大山津見神をお祀りする主な神社です。
- 大山衹神社(愛媛県今治市)
- 三嶋大社(静岡県三島市)
- 大元神社 厳島神社 境内 )
- 梅宮神社(京都府京都市右京区梅津)
- 大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市)
そのほか、大山津見神は全国でお祀りされています。
山の多い日本ですからね!
大山津見神に関係の深い神様
伊邪那岐(いざなぎ)
伊邪那美(いざなみ)