大八島国(おおやしまくに)。
古事記の神話に出てくる言葉で、日本(日本列島)を指す言葉です。
神話では、なぜ日本のことを大八島国と呼ぶのでしょうか?
それは古事記を読めばすぐに解りますよ!
大八島国(おおやしまくに)の名前の由来となった神話を紹介します!
大八島国(おおやしまくに)は古事記の神話に登場する
大八島国(おおやしまくに)という言葉が登場するのは、古事記の国生みの神話。
神話の内容はこんな感じ…(古事記より)
これは、この世界に16番目と17番目に現れた神様 イザナギとイザナミのお話。
ある日のこと。
偉い神様から「この漂ってる国を固めて、国土を完成させよ。」と命じられます。
その時もらった天の沼矛(あめのぬぼこ)で海をかき回して引き上げたら、したたり落ちたしずくから島ができちゃいました。
淤能碁呂島(オノコロシマ)です。
イザナギとイザナミはオノコロ島に降り立ち、ここに天の御柱(あめのみはしら)を立て、次に八尋殿(やひろどの)という広い神殿を建てました。
さて、これからいよいよ国生みが始まるんですが、
その方法がびっくり・・・
ちょっとエッチ・・・(*’ω’*)
まさに国を生む行為・・・
それはこんな感じで始まるのでした・・・
イザナギ「ねえ、君の体ってどうなってる?」
突然イザナミにこう質問したイザナギ。
どうも自分の体が気になったようです。
イザナミ「私の体は成長したけど、足りない部分がひとつあるの。」
イザナギ「ほんと? 僕の体も成長したけど、余ってる部分がひとつあるよ。」
イザナギ「じゃあさ、僕の余ってる部分をさ、君の足りない部分に刺して塞いで、国を生もうと思うんだけど、どうかな~?」
イザナミ「それはいいわね♡」
なぜイキナリそんな発想になるのか・・・
まあ、そこが神話の面白いところです。
イザナギとイザナミがセッ♡スした結果、最初は失敗します。
でも、やり方を変えると次々に島が生まれてきました。
生まれてきた順番に言うと…
- 淡道之穂之狭別島
(アワジノホノサワケノシマ)
淡路島のこと - 伊予之二名島 (イヨノフタナノシマ)
四国のこと - 隠伎之三子島(オキノミツゴノシマ)
隠岐の島のこと - 筑紫島(ツクシノシマ)
九州のこと - 伊岐島(イキノシマ)
壱岐島のこと - 津島(ツシマ)
対馬のこと - 佐渡島(サドノシマ)
佐渡島のこと - 大倭豊秋津島
(オオヤマトトヨアキヅシマ)
本州のこと
この後も小さな島々を六つほど生んでいくのですが、最初に八つの島が生まれたので、日本のことを 大八島国(オオヤシマクニ)と呼ぶそうです。
詳しい神話はこちら!
なぜ大八島国(おおやしまくに)と名付けた?
でも、なぜ最初に生まれた八島だけをとって、大八島国(おおやしまくに)と名付けたんでしょう?
どうも、古代の日本では「八」という数字に特別な意味を見出していたようです。
まあ、いまでも「八は末広がり」としてちょっと縁起の良い数字ですよね。
また、神話では「大きな」「たくさん」という意味でも「八」が使われています。
たとえば・・・
八咫烏(やたがらす)は、直訳すると「8咫(だいたい145cmくらい)のカラス」なのですが、実際は「とても大きなカラス」という意味だったり、
八十神(やそがみ)は、直訳すると「80柱の神様」なのですが、意味は「たくさんの神様」だったり。
ということは、大八島国(おおやしまくに)も、もしかしたら「たくさんの島々の国」って意味があるのかも・・・?
日本書記では大八島国(おおやしまくに)ではない?
古事記では大八島国(おおやしまくに)と書かれるのですが、日本書紀では使っている漢字が違います。
大八洲国と書いて「オオヤシマグニ」です。
また、生まれた島と生まれてきた順番にも少し違いがあります。
日本書紀では・・・
番外:淡路島
まず淡路島が生まれたが、これは胎盤だったので数に入れなかった。
そして生まれてきたのが
- 大日本豊秋津洲(オオヤマトトヨアキツシマ)
- 伊予二名洲(イヨノフタナシマ)
- 筑紫洲(ツクシシマ)
- 【双子】隠岐洲(オキノシマ)と佐渡洲(サドノシマ)
- 越洲(コシノシマ)
- 大洲(オオシマ)
- 吉備子洲(キビコジマ)
ちなみに、対馬(ツシマ)や壱岐、そして他のたくさんの島々は、潮の泡が固まったり、水の泡が固まったりしてできたんだそうです。
また、同じ日本書記でも「国生み」が記述されている箇所によって、生まれてくる島の順番が違っています・・・