神様:
猿田彦大神(さるたびこのおおかみ、さるたびこのおおかみ)
猿田毘古神とも書く。
ご利益:
道開き、道示し、八方除け、交通安全
猿田彦大神(さるたびこのおおかみ)は異形の神様
猿田彦大神(さるたびこのおおかみ)は、地上界(葦原の中つ国)の伊勢地方に住んでいた国津神です。
背丈は七尺(ななさか)、赤く光った大きな丸い目と、 七咫(ななあた)ものなが~い鼻を持った異形の姿をしています。
ちなみに、咫(あた)とは昔の長さの単位で、1咫は親指と中指を思いっきり開いた時の長さ。
1咫がだいたい17cm~18cmなので、七咫は120cm~125cmってところでしょうか。
尺(さか)はそのまま尺(しゃく:約30cm)と読み替えても差し支え無いようです。
つまり、猿田彦大神は赤く光る大きな丸い目と、1メートル越えの長い鼻を持ち、背丈2メートルを超える大きな神様・・・
いきなり出会ったらオシッコちびりそうですね・・・
この猿田彦大神、天狗とイメージが似ていることから、天狗の原型になったとも言われているそうです。
猿田彦大神は神話の天孫降臨に登場
この神様、猿田彦大神(さるたびこのおおかみ)は、日本の神話を収めた「古事記」「日本書紀」では、天孫降臨の章に登場します。
いわゆる「天降り」の神話ですね。
神話はこんな感じ・・・
ニニギの命(ニニギノミコト)は高天原(たかまのはら:天界)に住む天津神(あまつかみ)。
あの最高神 天照大神のお孫さんです。
ある日、ニニギは天照大神から地上界(芦原の中つ国:あしはらのなかつくに)の統治を命じられ、神様たちを連れて天降りを始めました。
神様御一行のなかには、あの天細女命(アメノウズメノミコト)もいます。
参考:日本の神様 天細女命(あめのうずめのみこと)の神話とご利益
ニニギ御一行が天と地上の途中にある分かれ道「天の八衢(あめのやちまた)」に差し掛かった時でした。
前方に何やら怪しいい異形の神が待ち構えています・・・
そう、彼こそが国津神の猿田彦大神です!
ニニギ「だれ、あれ!? なんかこわ・・・」
ニニギ「ねえ、アメノウズメ(天細女命)」
ウズメ「はいは~い!」
ニニギ「お前誰にでもオープンだからさあ、あの怖いのとちょっと話してきてよ。」
ウズメ「は~い!まっかせて~!」
アメノウズメは異形の神に近づきます。
ウズメ「ねえねえ、あんた誰~?」
サルタビコ「私は国津神の猿田彦と申す者。ニニギ様が天降りなさると聞いて、ぜひ道先案内をと思いここでお待ちしておりました。」
ニニギ「あ、そうなの? じゃあよろしく~」
こうしてニニギ御一行に加わった猿田彦大神は、先頭に立って地上界まで道案内をしたのでした。
この神話にちなんで、猿田彦大神には道開き、道示しのご利益があると言われています。
さらに関連して、八方除け、交通安全などのご利益もあるそうです。
猿田彦大神の最期はちょっとあっけない
猿田彦大神(さるたびこおおかみ)の神話には続きが少しだけあります。
ニニギ御一行を、無事に地上界(芦原の中つ国)に導いた猿田彦大神。
しばらくはみんなと一緒に暮らしていました。
そんなある日のことです。
サルタビコ「そろそろ故郷の伊勢に帰りたいと思います。」
ニニギ「あ、そう? 今までありがとね。」
ニニギ「あ、そうだウズメ。サルタビコを伊勢まで送ってあげて。そして君はこれからは猿女君(さるめのきみ)と名乗りなよ。」
ウズメ「はいは~い! 私は今日から猿女君。わっかりました~♪」
こうして、猿田彦大神と猿女君は夫婦になり、一緒に伊勢まで旅をしたのでした。
そして猿田彦大神の最期の時がやってきました…
海で漁をしていたサルタビコ、うっかり貝に手を挟まれてしまい、海の底で溺れてしまいましたとさ。
おしまい。
なんてあっけない~!
一方そのころ、猿女君はナマコの口を切り裂いていたようです・・・
参考:日本の神様 天細女命(あめのうずめのみこと)の神話とご利益
道祖神も猿田彦大神だった
道端にお祀りされている道祖神の石碑や石像を見たことはありませんか?
参照:Wikipedia 道祖神
実は、道祖神も猿田彦大神を祀っていたりするんです。
猿田彦大神(さるたびこのおおかみ)が道開きの神様だから、道の神である道祖神と同一視されたんですね。
ちなみに、猿田彦大神と天細女命(アメノウズメ)を、道祖神として一緒に祀ることも多いようです。
猿田彦大神が御祭神の神社
猿田彦大神をお祀りしている神社は全国にたくさんあります。
ここでは、神社を個人的主観でほんの少しだけご紹介します。
- 椿大神社(三重県鈴鹿市)
- 猿田彦神社(三重県伊勢市)
- 猿田神社(千葉県銚子市)
- 祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)
- 荒立神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
- 籠祖神社(東京都 神田神社内)
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