前回、櫛名田比売(クシナダヒメ)を守るために、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)と闘った須佐之男命(スサノオ)。
相手は巨大で恐ろしい化け物でしたが、巧妙な(?)作戦によって見事勝利したのでした。
そして、あの乱暴者が一躍英雄になったのです!
2度も追放されて、一人淋しくさすらったスサノオでしたが、
ここにやっと安住の地を見つけるのでしょうか?
前の話:スサノオの活躍② 須佐之男と櫛名田比売(クシナダヒメ)
スサノオの結婚と和歌
闘いを見事な完全勝利で終えたスサノオ、約束通り櫛名田比売(くしなだひめ)をもらい受けました。
そして、ふたりの宮殿を建てるための場所を探して回ります。
スサノオが須賀(すが)にたどり着いた時のことです。
スサノオ「ここに来たら、なんだか俺の心はすがすがしいよ!」
須賀をとても気に入ったのでしょう。
スサノオはこの地に宮殿を造りました。
ここの地名が須賀というのは、スサノオが「すがすがしい!」と言ったからなんだそうですよ。
なんだか単純ですね(^_^)
須賀:今の島根県雲南市大東町須賀のこと
スサノオ、和歌を詠む
スサノオが須賀に初めて宮殿を造った時のことでした。
ふと空を見上げると、雲がいくえにも重なって立ち上っています。
スサノオ「お~、よい雲だあ・・・」
スサノオ「お・・・、なんかインスピレーションが・・・!」
そして、スサノオが詠んだ歌がこれ。
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
やくもたつ いづもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを
これ、日本初の和歌とも言われている歌なんです。
この和歌の意味については、解釈がいろいろあるようで、どうもはっきりしません・・・
なので、私がしっくりきた意訳をひとつご紹介しますね。
出雲の国の八重垣のように、いく重に雲が湧き上がる。
妻と住む宮殿に八重垣をつくった、その八重垣のようだ・・・
※ 八重垣とは、何重にも巡らした垣根のこと。
その後、スサノオはクシナダヒメの父のアシナヅチを呼び寄せ、こう言いました。
スサノオ「あんたをこの宮殿の長を任せよう。」
そして、新しい名前 稲田宮主須賀八耳神(イナダノ ミヤヌシ スガノ ヤツミミノ カミ)を与えたのでした。
スサノオの子孫
古事記はこれから、須佐之男命の子孫の系譜について説明しています。
スサノオがクシナダヒメとの間に生んだ子
八島士奴美神
(ヤシマジヌミノカミ)
スサノオが神大市比売(カムオオイチヒメ)との間に生んだ子
大年神
(オオトシガミ)
宇迦之御魂神
(ウカノミタマノカミ)
ちなみに、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)は女神様で、稲荷神社のご祭神です。
古事記ではこのあと、スサノオの子孫の神々が列記されていきます。
図にするとこんな感じ・・・
須佐之男命から数えて6代目の子孫に、あの大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)が誕生します!
神話の次の章「国作り」は、このオオクニヌシが主人公です。
国作りの神話は、とっても面白い 愛と成長の冒険活劇ですよ!
乞うご期待!!
つづく
次の話:神社の神様 大国主の国作り① 因幡の白兎は恋の預言者