日本の神話の神様 須勢理毘売命(すせりびめのみこと)。
須世理姫と書いて「すせりひめ」とも呼びます。
あの英雄 須佐之男命(スサノオ)の愛娘であり、
国津神の盟主 大国主大神(オオクニヌシ)の妻でもあります。
須勢理毘売命(スセリビメ)とは、いったいどんな神様なんでしょう?
神話を中心にして、お祀りしている神社やご利益などもご紹介します!
須勢理毘売命(スセリビメ)の神話
須勢理毘売命(スセリビメ)が登場するのは、大国主の国作りの神話。
脇役でありながら、大活躍しています。
一途であり、嫉妬深くて、ちょっとキツイ性格もしている女神さまのようです・・・
須勢理毘売命(スセリビメ)は逢ったばかりの男と即結婚した
須勢理毘売命(スセリビメ)は、あの英雄 須佐之男命(スサノオ)の娘。
父と共に、死者の国 根堅洲国(ネノカタスクニ)に住んでいます。
ある日のこと。
スセリビメはひとりの男性に出会いました。
ちょっとひ弱そうだけど、かなりのイケメンです。
それが、後に大国主大神となるオオナムチでした。
スセリビメ「まあ、イケメン♡」
オオナムチ「美しい、結婚しよう。」
スセリビメ「はい♡」
なんと、ふたりは出逢った瞬間に結婚してしまいました。
日本の神話ではよくあることです・・・
スセリビメはオオナムチを何度も助けた
オオナムチの話によると、彼は兄たちに命を狙われており、スサノオを頼ってやって来たのだとか・・・
スセリビメは、さっそくオオナムチを父に会わせるのですが・・・
スサノオは、これからオオナムチに大きな嫌がらせ 試練を与えます。
それは、「オオナムチを殺したいのか!?」 ってくらい過酷なものでした・・・
でも、スセリビメがこっそり助けて、試練はクリアされていきます。
第1の試練:蛇の巣くう寝室に入れられる。
スセリビメが蛇除けアイテムをこっそり差し入れる。
第2の試練:蜂とムカデの寝室に入れられる。
スセリビメが蜂とムカデ除けアイテムをこっそり差し入れる
スセリビメのおかげで、オオナムチは死の試練を乗り越えたのでした。
ちなみに、第3の火責めの試練は、ネズミが助けてくれました。
この部分の神話:大国主の国作り④ スサノオとの出逢いと新たな試練
スセリビメはオオナムチと駆け落ちする
第3の試練までを突破したオオナムチ。
しかし、スサノオのしつこい嫌がらせ 試練は終わりませんでした。
第4の試練はスサノオの頭のシラミ取り。
でも・・・
頭にいたのは・・・
シラミではなくムカデでした!
この恐ろしい試練も、スセリビメの機転によって乗り越えます。
ですが、オオナムチはもう我慢の限界!
駆け落ちを決断します!
オオナムチはスサノオの寝ているうちに、スセリビメを連れて逃げ出しました!
スサノオが気づいたときにはもう遅く、二人は追いつけない遠くまで去っていました。
この部分の神話:大国主の国作り⑥ 最後の試練とオオナムチの駆け落ち
スセリビメは他の妻をイビッた?
スセリビメは、大国主となったオオナムチとともに地上界にやって来ました。
そこでふたり幸せに暮らしましたとさ・・・
とはいきませんでした。
大国主は恋多きイケメンだったんです。
実は大国主には、スセリビメの前に出逢っていた、八上比売(ヤガミヒメ)という女性がいます。
そもそも大国主が命を狙われていたのも、このヤガミヒメが原因です。
地上界に戻った大国主は、なんとこのヤガミヒメを連れてきたんです・・・
そりゃあ、スセリビメは面白くありません・・・
ヤガミヒメはスセリビメを恐れ、子供を置いて実家へ逃げ帰ってしまいました・・・
古事記には、スセリビメが何かしたとは書いてありませんが、何かあったんでしょうねえ・・・
この部分の神話:大国主の国作り⑦ イケメン大国主の恋模様
スセリビメの恋歌
その後も、大国主のイケメンっぷりは止まりません。
スセリビメの嫉妬は激しくなるばかり・・・
そんなある日のこと。
大国主が大和の国へ出陣しようとしている時のことでした。
(大国主がスセリビメの嫉妬に困惑して、大和の国へ逃げようとしていた時、との話も有ります。)
とっても悲しそうにしているスセリビメを見て、大国主は歌を詠みます。
はっきり言って、私にはよく解らん歌です・・・
大事な部分だけ抜粋するとこんな感じ・・・
僕の愛しい妻よ
僕がこうしてみんなと出かけて行ったら
君は泣かないなんて強がるけど
ほんとは泣いちゃうんだろうね・・・
その悲しみはさ
朝の雨が霧になって、立ち込めるようなんだろうね・・・
愛しい妻にこの歌を贈るよ。
何てこと言ってっも、大国主は行っちゃうんですが、スセリビメは感動したようです。
大きな杯を大国主に捧げながら、こんな歌を返しました。
八千矛(ヤチホコ)の神、私のオオクニヌシ様
あなたは男なんだから
行く先々で若い妻を持つんでしょうね・・・
でも、私は女だから、あなた以外に男なんていないの
あなたの他に夫なんていないのよ
綾織(アヤオリ)の幕がふわふわ垂れている下
やわらかなカラムシの寝具の下
タクの寝具がざわざわと鳴る下で
私の白くやわらかい胸や
白い腕に触れたり撫でたり
私の美しい手枕でゆっくりと休んでね
さあ、このお酒を飲んでください
こうして二人は杯を交わし、夫婦の愛を固く約束しました。
ふたりはお互いの首に手をまわしあって
いまに至るまで鎮座なさっています。
めでたしめでたし。
このあたりの神話:大国主の国作り⑧ 大国主とスセリビメの恋歌
須勢理毘売命(スセリビメ)について
スセリビメの名前の意味
須勢理毘売(スセリビメ)という名には、どんな意味があるんでしょうか?
須勢理(スセリ)=
「進む」または「すさぶ(荒ぶる)」という意味がある。
毘売(ビメ:ヒメ)=
女性、姫、女神
つまり、「荒ぶる女神」、「気性の激しい女神」って感じでしょうか・・・
父親のスサノオと同じく、荒ぶる神としての一面があるのかもしれませんね。
スセリビメのご利益(神徳)
- 縁結び
- 夫婦和合
- 家内安全
- 厄除け
スセリビメをお祀りする神社
- 出雲大社摂社 大神大后神社
(島根県出雲市) - 那売佐神社(島根県出雲市)
- 総社宮(岡山県岡山市)
- 備中国総社宮(岡山県総社市)
- 八坂神社(京都府京都市)
- 春日大社末社 夫婦大国社
(奈良県奈良市) - 國魂神社(福島県いわき市)
須勢理毘売命(スセリビメ)の母は誰ですか
こんばんは!
スセリビメの母親については古事記、日本書紀にも明記されていないんですよねえ…