建御名方神(たけみなかたのかみ)。
国津神最強とも言われる神様です。
でも、古事記の神話では
建御名方神はコテンパンにやられてしまいます・・・
今回はそんな建御名方神の神話やご利益についてご紹介します!
建御名方神(タケミナカタ)ってどんな神様?
建御名方神(タケミナカタ)は出雲出身の国津神。
の出雲の盟主 大国主大神の息子の一柱です。
いまは信州の諏訪湖に坐す大神で、諏訪大社の主祭神でもあります。
ものすごい怪力を持ち、国津神最強ともいわれる神様なんですが
古事記の神話ではコテンパンにやられてしまいます・・・
建御名方神が誰に負けたのか?
出雲の神様が、なんで諏訪大社の御祭神になったのか・・・
それは建御名方神にまつわる神話を読むと分かりますよ!
建御名方神の神話
古事記の神話に建御名方神が出てくるのは、国譲りの章。
天照大神が、地上界の盟主 大国主大神に「地上界を譲れ!」と迫ったお話です。
古事記の物語は天津神目線なんですが、ここでは国津神目線でお話しますね!
神話はこんな感じ・・・
苦労の末に、地上界 葦原の中つ国を繁栄させた 大国主大神(おおくにぬし)。
ある日のこと。
大国主のもとに、天照大神(アマテラス)からの使者がやって来ました。
使者の話によると、アマテラスはこんなことを言っているようです。
困ったもんです・・・
でも、大国主大神は一筋縄ではいきません。
一人目の使者は天穂日命(アメノホヒ)。
大国主の偉大さに心酔して寝返っちゃいました。
その三年後にやって来た、二人目の使者 天若日子(アメワカヒコ)。
地上界を我がものにしようと企み、大国主の娘と結婚しちゃいました。
大国主はその老練な手管(てくだ)で、使者を次々に懐柔していきます。
でも・・・
さすがの大国主も、これから窮地に立たされることになります。
あの武神がやって来たのです・・・
建御名方神と建御雷神(タケミカヅチ)の死闘
それは、2番目の使者が来てから8年後のことでした。
また天津神からの使者がやって来たのです。
その使者の名は 建御雷神(タケミカヅチ)。
天界に名をとどろかせた武神であり、剣の神です。
タケミカヅチは、いままでの使者とは違い、かなり威圧的でした・・・
タケミカヅチ「アマテラス様が国を譲れってよ。」
大国主「急にそう言われてもねえ…、息子の事代主神(コトシロヌシ)に訊いてみないと」
大国主「でも、コトちゃんいま岬に出かけてるんだよねえ…」
のらりくらりと答える大国主ですが、建御雷はそれを許しません。
すぐに事代主と会うと、国譲りを迫りました。
建御雷に恐れをなした事代主は、もうビクビクです。
事代主「わかりました、この国を捧げますう…」
と、あっさり降参したのでした・・・
でも、大国主はまだまだ粘ります。
大国主「あ~そうそう、息子の建御名方神(タケミナカタ)にも訊いてみないと…」
ちょうどその時、建御名方神がやって来ました。
なんとその手には、千人がかりでやっと引けるような巨大な岩を、まるで小石のように軽々と持っています。
建御名方神「俺の国でコソコソやってるお前は誰だ!」
タケミカヅチ「お前がタケミナカタか・・・」
建御名方神「俺様と力比べだ! 」
タケミカヅチ「おうさ!!」
建御名方神「まずは俺様が、お前の手を掴んでやるぜえ!」
がしっとタケミカヅチの腕をつかむタケミナカタ!
建御名方神「どうだ…って、ええ~~!?」
いきなりタケミカヅチの腕が、氷の柱に変化したんです!
氷の柱はさらに剣へと変わっていきます!
建御名方神「ちょ、ちょっと待て! 力比べって言ったろ!?」
タケミカヅチ「そうか~?」
今度はタケミカヅチが建御名方神の腕をつかみました!
そして建御名方神の腕を簡単に握りつぶすと、投げ技が炸裂!!
ずど~ん!!
見事に投げ飛ばされた建御名方神、一気に顔が青ざめます。
建御名方神「ひ~~!! 殺される!!」
恐怖におののいた建御名方神は、猛ダッシュで逃げ出しました!
すかざすタケミカヅチが追いかけます!!
逃げる建御名方神・・・!
追いかけるタケミカヅチ・・・!
追いかけっこはひたすら続き、
とうとう信州の諏訪湖にまで来てしまいました。
タケミカヅチ「観念しろ!」
タケミカヅチはそう言って建御名方神を殺そうとします。
建御名方神「俺が悪かった!お願い殺さないで!」
建御名方神「俺は二度とここを出ませんから~!」
建御名方神「父にも兄にも背きませんから!」
建御名方神「地上界は、天津神の御子の命令通り差し上げますう~!!」
という訳で建御名方神は命拾いし、これより諏訪湖の地から出ることはありませんでした。
神無月に出雲で開かれる、八百万の神様の集まりにさえ行かないのだとか・・・
建御名方神(タケミナカタ)は、諏訪大社の御祭神としてお祀りされています。
建御名方神も降参しました。
ここまで来ては、大国主大神も観念するしかありません・・・
地上界をアマテラスに譲ることを決心しました。
こうして 、国譲りは完了したのでした。
おしまい
建御名方神、コテンパンにやられちゃってますね・・・
まあ、これはあくまでも大和朝廷が作らせた神話です。
こんな風に書かれるのも、仕方ないのかもしれません・・・
逆に地元の諏訪では、偉大な神様として信仰されています。
国譲りの神話を詳しく読みたいならこちらをどうぞ!
建御名方神の神格・ご利益
建御名方神の別称
- お諏訪様
- 諏訪大明神
- 武南方神
(タケミナカタノカミ) - 建御名方富神
(タケミナカタトミノカミ) - 南方刀美神
(ミナカタトミノカミ)
建御名方神の神格
- 軍神
- 農耕の神
- 五穀豊穣の神
- 狩猟の神
- 山の神
- 風の神
建御名方神のご利益(ご神徳)
- 武運長久
- 五穀豊穣
- 盛業繁栄
- 国土安寧
- 狩猟守護
- 子孫繁栄
- 交通安全
建御名方神をお祀りする神社
諏訪大社(長野県諏訪市)
その他、全国の諏訪神社にお祀りされています。
建御名方神に関わりある神様
大国主大神(おおくにぬしおおかみ)
沼河比売(ぬなかわひめ)