前回、天降りの命を受けたのに、それを息子に振ってしまった 天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)。
高天原から離れるのが嫌なのか、邇邇芸命(ニニギ)がベストだと思ったのかは分りませんが・・・
まあ、オシホミミは前にも天降りしかけて、途中で戻ってきてますからねえ。
その時は、地上界には怖い国津神がたくさんいたのが理由だったとか・・・
それにしても、そんな大事を息子に振ってしまって大丈夫なんでしょうか?
さて、神話の続きが始まります!
前の話:天孫降臨① 天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)と天降り
邇邇芸命(ニニギ)、天降りの命を受ける
オシホミミに、「息子のニニギに天降りさせましょう。」と言われたアマテラス。
さすがにこれには怒るのかと思いきや・・・
そうでもありませんでした。
早速ニニギを読んでこう命じます。
アマテラス「この豊葦原水穂国(トヨアシハラミズホノクニ)は 、お前が治めるべき国です。 命に従って天降りなさい。」
ニニギ「わかりました、ばあちゃん!」
こうしてニニギは天降ることになったのでした。
豊葦原水穂国(トヨアシハラミズホノクニ)
葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)の別名。つまり日本のこと。
猿田毘古大神(サルダビコ)との出会い
「なんだあれは!?」
ニニギが天降りしようとしていたころ、高天原に異変が起きました。
天界の分かれ道 天の八衢(あめのやちまた)に、異形の神が現れたのです。
その神は怪しく光り、上は天界まで、下は地上界までを照らしています。
神々「あいつは何者だ!?」
神々「知っているものはいるか!?」
高天原に緊張が走ります・・・
アマテラスとタカミムスビは、これはどうしたものか…と考えた末、
天宇受売神(アメノウズメ)を呼ぶことにしました。
アメノウズメは、天の岩戸事件で大活躍した、あの女ダンサーです。
アマテラスはウズメにこう命じます。
アマテラス「お前はか弱い女神だけど、だれに向き合っても気後れしない子。」
アマテラス「だからお前があの怪しい神のところに行って、何者か訊いてきなさい。」
ウズメ「わかりました!」
というわけで、ウズメは天の八衢まで出向いて、怪しい神に問いかけました。
ウズメ「あんた誰?」
サルタビコ「私は国津神の猿田毘古神(サルタビコ)と申す者。」
サルタビコ「天津神の御子(みこ)が天降りなさると聞き、道先案内役としてお仕えしようと、ここでお待ちしておりました。」
というわけで、サルタビコが天降りに同伴することになったのでした。
猿田毘古大神はどんな神様?
異形の神と言われる猿田彦神ですが、いったいどんな容姿だったんでしょうか?
古事記には詳しく書かれていませんが、日本書紀によると・・・
鼻の長さは七咫(ななあた:125cmくらい)
背たけは七尺(ななさか:210cmくらい)
目は八咫鏡(やたのかがみ:145cmくらい)のようで、赤酸醤(あかかがち:ホオズキ)のように照り輝いている・・・
う~ん、異形の神様ですね!
さて、これからいよいよ天降りが始まります!
つづく
次の話:天孫降臨③ ニニギ(邇邇芸命)に与えられた三種の神器