天降りして、地上界を統治することを命ぜられた邇邇芸命(ニニギ)。
それを知って、天の八衢(あめのやちまた)まではせ参じた、猿田毘古大神(サルタビコ)。
異形の神の出現にどよめいた高天原でしたが、道先案内役として頼もしい仲間を得ることができました。
さて、ニニギはいよいよ天降りに臨むのですが、今回はその直前のお話です!
前の話:天孫降臨② 邇邇芸命(ニニギ)と猿田毘古大神(サルタビコ)
ニニギに付き従う神様たち 五伴緒(いつのともお)
さて、いよいよニニギの天降りの日がやってきました。
ニニギには、天下りにお供する五柱の神様たちが付けられました。
この神様たちを 五伴緒(いつのともお)と呼びます。
実は、みんな天岩戸(あまのいわと)事件で活躍した神様なんです。
◆天児屋命(アメノコヤネ)
藤原氏の祖神
占いの儀式をして、祝詞を奏上した。
◆布刀玉命(フトダマ)
忌部氏の祖神
占いの儀式をして、榊を捧げ持った。
◆天宇受売命(アメノウズメ)
猿女君(さるめのきみ)の祖神
ダンスを舞い踊って大活躍!
◆伊斯許理度売命(イシコリドメ)
作鏡連などの祖神
八咫鏡(やたのかがみ)を造った。
◆玉祖命(タマノオヤ)
玉祖連などの祖神
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を作った。
アマテラスがニニギに与えた三種の神器
アマテラスは、ニニギに次の三つの神器を与えました。
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
八咫鏡(やたのかがみ)
草薙剣(くさなぎのつるぎ)
これらの神器が、後に天皇の皇位の証となる 三種の神器 と呼ばれるものです。
鏡は伊勢神宮内宮に、剣は名古屋の熱田神宮に、勾玉は御所にあるそうです。
アマテラスは、ニニギにさらに三柱の神様をお供に付けました。
そのうち二柱は、やはり天岩戸事件で活躍しています。
天岩戸事件で、お祭り大作戦を考えた神様。
アマテラスを天岩戸から引っ張り出した神様
天石門別神(アメノイワトワケ)
宮殿の門の神様。天岩戸には登場しない
アマテラスはこう言います。
アマテラス「この鏡はね、私の御魂(みたま)として、私を拝むように祀りなさい。」
アマテラス「オモイカネはこの祭祀を引き受けて、政事を行いなさい。」
後に、ニニギとオモイカネは、八咫鏡を五十鈴宮(いすずのみや:伊勢神宮内宮)にお祀りしました。
次に、登由宇気神(トヨウケノカミ)は、伊勢神宮の外宮にお祀りしています。
何故ここで急に 登由宇気神 の説明がされたのか、古事記からは分りません。
天降りに随伴したとは書かれてないのですが・・・
さて、これでようやく出発です!
これからニニギ御一行の天降りが始まります!
つづく