海の女神 豊玉姫(とよたまひめ)。
豊玉毘売(トヨタマビメ)という字も使われます。
知る人ぞ知るって感じの女神さまですが
彼女はどんな神話を持っているのでしょうか?
そしてご利益やお祭りされている神社は?
そこのところ教えちゃいます!
豊玉姫(トヨタマヒメ)ってどんな神様?
豊玉姫(トヨタマヒメ)は海神 綿津見神(ワダツミ)の長女。
海の宮殿に住んでおり、妹に玉依姫(タマヨリヒメ)がいます。
ある時、宮殿に天照大御神の子孫である、火遠理命(ほおりのみこと)がやって来ました。
若い二人はすぐに結ばれます。
数年の間は幸せに暮らしていた豊玉姫と火遠理命。
でも、あることが原因で悲しい結末を迎えるんです。
その原因とは・・・
実は、豊玉姫(トヨタマヒメ)の正体は・・・
ということで、次章の神話をどうぞ!
豊玉姫(トヨタマヒメ)の神話
豊玉姫(トヨタマヒメ)が古事記の神話に出てくるのは、天津御子の火遠理命(ほおり)が主人公の章。
まあ、トヨタマヒメは脇役なんですが、ホオリの神話自体けっこう面白いですよ。
ただし、とても長いので、ここではダイジェスト版で紹介します。
しっかり楽しく読みたいあなたはこちらをどうぞ↓
ダイジェストより、こっちの方が絶対面白いですよ!
豊玉姫(トヨタマヒメ)と火遠理命の出会い
火遠理命は、あの邇邇芸命(ニニギ)と木花咲耶姫の子で、3人兄弟の末っ子です。
ある日のこと。
ホオリは兄の火照命(ホデリ)から釣り道具を借りて、海で釣りをしていました。
でも、魚は一匹も釣れず・・・
おまけに、うっかり釣針ロスト・・・
兄に何度謝っても、代わりの釣針をいくら作っても許してもらえず、「あの釣針を返せ!」の一点張り。
どうして良いかわからず、海辺でうなだれていました。
そこで出会った潮の神 塩椎神(シオツチガミ)が、「海神の娘に会いなさい。」とアドバイス。
ホオリは言われた通り、海神 綿津見神(ワダツミ)の海の宮殿に向かいます。
さて、無事海の宮殿にたどり着いたホオリ。
さっそく海神の娘 豊玉姫(トヨタマヒメ)と出逢います。
トヨタマヒメはホオリを見た瞬間
ずきゅん♡
まあ、なんてイケメン♡
ホオリに一目惚れしたのでした。
父の 綿津見神(ワダツミ)はホオリを一目見て、彼が天津神の御子であると気づき大歓待!
そして、そのふたりは直ぐに結婚し、幸せに暮らしたのでした♡
あれ・・・?
結婚しましたって・・・
釣針のことはどうなったんでしょうか・・・
陸に帰っていった火遠理命(ホオリ)
あれから3年・・・
ここは海神の宮殿。
トヨタマヒメとホオリは幸せに暮らしていました。
ところが、ある日のこと。
ホオリが珍しく、ため息ばかりついています・・・
心配したトヨタマヒメは、父に相談しました。
トヨタマヒメ「ホオリがため息をついてるの。今までこんな事はなかったのに・・・」
ワダツミ「そうか? どれ、ワシが訳を訊いてみよう。」
実はホオリ、兄のことを思い出したんです。
あれだけ悩んでいたのに、この3年間すっかり忘れていたんですね・・・
そして、心配した義父と妻にすべてを打ち明けました。
義父もトヨタマヒメも、ホオリが海の宮殿に来た理由を、この時始めて知りました。
話を聞いたワダツミ、すぐに釣針を見つけ出すと
ホオリに兄を屈服させる方法をいろいろ教え、陸へ向けて送り出しました。
ホオリはトヨタマヒメを残し、大きなサメの背に乗って帰っていったのです。
でも、なんで兄を打ち倒す話になったんでしょうね・・・
別に兄は悪くないのに・・・
その後、ホオリはワダツミの教え通りにして、3年かけて兄を屈服させ、正統な天津御子となったのでした。
それにしても、豊玉姫(トヨタマヒメ)はどうなったんでしょうか・・・
豊玉姫(トヨタマヒメ)の出産
ある日の海辺でのこと。
トヨタマヒメがホオリを訪ねてきました。
トヨタマヒメ「あなたの子を妊娠してるの♡」
あれ・・・?
ホデリを屈服させるために、3年かかっていたはずでは・・・
お腹の子と計算が合わないような・・・
トヨタマヒメ「もう生まれそう・・・」
慌てて産屋を造ったのですが、屋根もふき終らないうちに出産が始まりました。
トヨタマヒメ「絶対に見ないでね!」
そう言われると見たくなるのが人の性。
神様だって同じようです。
ホオリはトヨタマヒメの出産を覗いちゃいました。
すると・・・
ホオリ「ぎょえ~~!」
驚きのあまり叫び声をあげたホオリ。
彼が見たものは・・・
とてつもなく大きなサメの姿でした。
その巨大なサメが這い回り、身をくねらせているのです。
ホオリはその姿を見て恐怖し、一目散に逃げ出してしまいました・・・
本当の姿を見られたことにショックを受けたトヨタマヒメ。
産んだ子をその場におき、海の世界に帰って行ってしまいました。
ちなみに、その時産んだ子の名前は
天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命
(アマツヒコ ヒコ ナギサタケ ウカヤフキアエズ ノミコト)
名前の意味はこんな感じ。
「渚で(産屋に)鵜の羽の屋根も吹きあえないうちに生まれた、たくましい天津神で、アマテラスの子孫」
その後、ホオリとトヨタマヒメは、切ない愛の歌を交わすのですが、
ふたりが逢うことは二度とありませんでした・・・
ちなみに、ウカヤフキアエズはトヨタマヒメの妹 玉依姫(タマヨリヒメ)に育てられます。
さらには、その玉依姫と結婚しちゃうんです・・・
そしてこのふたりが、神武天皇の両親になります。
以上、ダイジェスト版です。
なんだか機械的な説明になってしまいました。
楽しく、詳しく読みたい方はやっぱりこちらをどうぞ!
豊玉姫の神格とご利益
豊玉姫(トヨタマヒメ)の別称
- 豊玉媛命
- 豊玉毘売
豊玉姫の神格
- 海神
- 水神
- 聖母神
豊玉姫のご利益(ご神徳)
- 安産
- 子宝
- 縁結び
- 農業
- 漁業
- 海上安全
豊玉姫が御祭神の神社
- 鹿児島神宮(鹿児島県)
- 豊玉姫神社(鹿児島県)
- 与賀神社(佐賀県)
- 豊玉姫神社(佐賀県)
- 海神神社(長崎県)
- 綿津見神社(高知県)
- 高忍日売神社(愛媛県)
- 諏訪神社(山梨県)
- 豊玉姫神社(千葉県香取市)
豊玉姫に関わりある神様
綿津見神(わだつみのかみ)