日本の神話の神様 和久産巣日神(わくむすび)。
稚産霊(わくむすび)とも書きます。
神話ではマイナーな神様ですが、いったいどんな神様なんでしょうか?
和久産巣日神(わくむすび)をお祀りする神社やご利益、神話などをご紹介します!
和久産巣日神(わくむすび)はイザナミのおしっこから生まれた神様
古事記によると、和久産巣日神(わくむすび)が神話に登場するのは、イザナギとイザナミの神生みの時。
なんと、和久産巣日神(わくむすび)は、イザナミのおしっこから生まれます!
いったいどんな神話なんでしょう?
それはこんな感じ…(古事記より)
高天原の偉い神様たちの指示で、地上界に降りて国生みを行なったイザナギとイザナミ。
日本の国土は順調に出来上がり、次に神様を産み始めます(神生み)。
夫婦はどんどん子を産んでいくのですが、
ある日のこと、悲劇が起こってしまいます・・・
それは、イザナミが火の神 火之迦具土神(ヒノカグツチ)を生んだ時のことでした。
ぎゃ~~!!
イザナミの絶叫がほとばしりました!
燃え盛る赤子を産んだため、陰部を大火傷してしまったのです!
火傷はとっても酷く、瀕死の重傷でした。
イザナミは病床でもだえ苦しみます。
ゲロを吐き、大便や小便を垂れ流し、悲惨な苦しみようでした・・・・
この時、このゲロや排泄物からいろんな神様が生まれたんです。
そのうち、イザナミのおしっこから生まれたのが 和久産巣日神(わくむすび)なのでした。
(イザナミの尿からは、他にも 弥都波能売神(みつはのめのかみ)という水の神様が生まれています。)
はい、これが和久産巣日神(わくむすび)の生まれた神話です。
名前だけしか出てきません。
これだけです・・・
ちなみに、この後イザナミは亡くなっています。
詳しい神話はこちら!
さて、和久産巣日神(わくむすび)が生まれた経緯はこれで分かりました。
でも、これではどんな神様なのか全然わかりませんね・・・
という訳で、次章で和久産巣日神(わくむすび)について説明します。
和久産巣日神(わくむすび)とは生成の女神
和久産巣日神(わくむすび)とはどんな神様なのか?
それは、名前の意味を探るとよく分かりますよ!
和久(わく):
若い、若々しい
産巣日(むすび):
生成の霊力を象徴した言葉です。
つまり、和久産巣日神(わくむすび)とは、
若々しく成長する霊力を神格化した神様(女神)
たとえば繁殖力(子孫繁栄)、植物を成長させる力(五穀豊穣)、もっと大きく言うと万物の創生を神格化した神様として信仰されています。
和久産巣日神(わくむすび)は養蚕の神様でもある
日本書紀では、「稚産霊(わくむすび)は頭頂に蚕と桑、へその穴に五穀を発生させた女神。」と記されています。
このことから、和久産巣日神(わくむすび)は養蚕の神様としても崇められています。
和久産巣日神(わくむすび)は豊受大神の母
古事記によると、和久産巣日神(わくむすび)は豊受大神(とようけおおかみ)の母親なんだそう。
豊受大神といえば、あの天照大御神の食事を司る神様として、伊勢神宮の外宮にお祀りされている神様です。
また、邇邇芸命(ニニギ)の天孫降臨の際に、ニニギに付き従って一緒に天降りしています。
和久産巣日神(わくむすび)の神格やご利益
和久産巣日神(わくむすび)の神格
- 生成の神様
- 農業の神様
- 養蚕の神様
和久産巣日神(わくむすび)のご利益(神徳)
- 農業守護
- 五穀豊穣
- 子孫繁栄
- 健全育成
- 開運招福
- 災難除け
- 養蚕守護
「若いものを育てあげる」という御神徳から 、人・物事・事業などの成長・発展のご利益があると言われています。
また、恋愛成就・安産子育・健康守護のご利益もいただける神様です。
和久産巣日神(わくむすび)を祀る神社
久井稲生神社(広島県三原市)
愛宕神社(京都市左京区)
王子稲荷神社(東京都北区)
安積国造神社(福島県郡山市)
堂山王子神社(福島県田村市)
竹駒神社(宮城県岩沼市)