黄泉の国① イザナミ、死んだイザナギに逢いに行く

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国
◆アフィリエイト広告を利用しています◆

最愛の妻である伊邪那美神(イザナミ)が死に、悲しみと怒りのあまり、

子の火之迦具土神(ヒノカグツチ)を切り殺してしまった伊邪那岐神(イザナギ)。

それでも、彼の悲しみは落ち着くどころか、どんどん増していきました。

そして思いつめたイザナギは、ある決心をするのですが・・・

前回の話:神生みの神話② イザナミの神避り(かむさり)

イザナギ、黄泉の国へ行く

死んでしまったイザナミにどうしても逢いたい・・・

そう思いつめたイザナギは、とうとうこう決断します。

 

イザナギ「黄泉国(よみのくに)まで逢いに行こう!」

 

さっそくイザナギは、死者の国である黄泉国(よみのくに)へ出かけました。

黄泉平坂(よもつひらさか)を通って黄泉の国に着くと、その入り口は戸で固く塞がれています。

 

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国

 

イザナギ「イザナミ~~!」

 

すると・・・

ギィ~~~・・・

戸が開き、イザナミが出てきました。

 

イザナギ「イザナミ!!」

イザナミ「こんな所まで来てしまったの・・・」

イザナギ「愛しい僕の奥さん!ふたりで作った国はまだできてないよ。一緒に帰ろう!」

イザナミ「くやしいな・・・もっと早く来てくれてれば良かったのに・・・」

イザナミ「私はもう黄泉の国の食べ物を食べてしまったの・・・」

 

死者は一度でも黄泉の国のものを食べると、もう地上界へ戻ることはできません。

イザナミはもう、完全に黄泉の国の住人になっていたのです。

 

イザナミ「でも・・・ せっかく来てくれたんだから、なんとかして帰りたい。黄泉の神様に相談してみるね。」

イザナギ「お~!そうしておくれよ。」

イザナミ「ただ、お願いがあるの。」

イザナギ「・・・なに?」

イザナミ「相談している間、絶対に私を見ないでね。」

 

そう言って、イザナミは戸の内へ戻っていきました。




イザナギ、約束を破る・・・

あれからだいぶん時間が経ちました。

でも、イザナミが戻ってくる様子はありません・・・

しびれを切らしてしまったイザナギ、よせばいいのに行動を起こします。

 

左のミズラに挿していた櫛の太い歯を一本折り、その先に火をつけます。

 

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国 みずら

 

その灯りを頼りに、戸の中へ入ってイザナミを見ると・・・

 

イザナギうぎゃ~~!!

 

なんとイザナミの体は腐ってウジだらけ・・・

おまけに、体に8柱もの雷神をまとっています!

 

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国

 

イザナミの体にいた雷神

  • 頭には 大雷(オオイカヅチ)
  • 胸には 火雷(ホノイカヅチ)
  • 腹には 黒雷(クロイカヅチ)
  • 陰部には 拆雷(サクイカヅチ)
  • 左手には 若雷(ワカイカヅチ)
  • 右手には 土雷(ツチイカヅチ)
  • 左足には 鳴雷(ナルイカヅチ)
  • 右足には 伏雷(フシイカヅチ)

 

それはもう、イザナミというより化け物のようでした・・・

 

逃げるイザナギ、追うイザナミ

イザナミの恐ろしい姿に度肝を抜かれたイザナギ。

愛情なんてどこかへすっ飛んでしまい、慌てて逃げ出しました。

 

イザナミ「わたしに恥をかかせたなあ~!」

イザナミ「ヨモツシコメよ、イザナギを追え!」

 

ヨモツシコメ(予母都志許売)とは、黄泉の国に住む醜く恐ろしい女です。

 

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国

 

後を追うヨモツシコメ!

必死に逃げるイザナギ!

ふたりの距離はどんどん近づき、もう追いつかれそうです!

そこでイザナギは、髪に巻き付けていた黒いカズラの蔓(つる)を投げ捨てました。

すると蔓は勢いよく成長し、ぶどうの実がなったのです。

 

シコメ「!! ぶどうじゃあ~!」

 

シコメはぶどうに食いつきます。

その間に逃げきろうとするイザナギ。

でも、シコメはあっという間にぶどうを平らげ、また追いついてきました!

 

イザナギは、右のカズラに挿してあった櫛を投げ捨てました。

するとタケノコがたくさんニョキニョキ!

シコメの意識はタケノコにそれて、抜いては食いついています。

こうしてイザナギは、なんとかシコメから逃げ延びたのでした。

 

だがしかし!!

イザナミの追撃はまだ終わっていませんでした。

さらに強力な刺客が放たれたのです!

イザナギ万事休す!?

つづく

次の話:黄泉の国② イザナギとイザナミの永遠の別離

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です