黄泉の国② イザナギとイザナミの永遠の別離

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国2
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前回、変わり果てた伊邪那美神(イザナミ)の姿に、愛もどこかへ吹っ飛んでしまった伊邪那岐神(イザナギ)。

恐怖のあまりその場から逃げ出すのですが、イザナミの追撃は執拗で・・・

追手の予母都志許売(ヨモツシコメ)を振り切ったものの、また新たなる刺客が現れます!!

果たして、イザナギは逃げ切れるのか!?

前のお話:黄泉の国① イザナミ、死んだイザナギに逢いに行く

新たなる追撃者! 雷神軍団

なんとかヨモツシコメから逃げ切ったイザナギ。

 

イザナギ「ふう…って、うわ~!!

 

すかさず新たな追撃者が現れたのです!!

なんとイザナミは、体にまとっていた雷神率いる、その数1500の黄泉軍団を送り込んだのでした!

 

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国

 

イザナギは十束剣(とつかのつるぎ)を抜くと、後ろ手に振り回しながら逃げます。

後ろ手に剣を振るうのは、呪いの行為のひとつです。

 

逃げて逃げて逃げて・・・

ようやく黄泉平坂(よもつひらさか)までたどり着いたイザナギ。

でも、黄泉軍団はもうそこまで追(せま)っています!

 

イザナギ「あ~もう!しつこいな!!」

 

辺りを見回すと、坂の下に桃の木があります。

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国 桃

 

イザナギはその木から桃を3個もぎ取ると、黄泉の軍団に向けて投げつけました!

 

ぐぎゃ~~!!

 

なんということでしょう!

桃の実に退魔の力があったのか、黄泉軍団は逃げかえっていきました。

 

イザナギは桃の実にとっても感謝しました。

 

イザナギ「お前が僕を助けたように、葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)の人間が苦しみ困っていたら、助けてあげなさい。」

 

そう言って、桃に 意富加牟豆実命(オオカムヅミノミコト)という名を授けました。

葦原の中つ国とは地上界のこと。その中でも日本を意味しています。




イザナミとイザナギの別離

ふたつの追手を退けたイザナギでしたが、最後の試練が訪れます。

なんと、イザナミが現れたのです!!

 

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国 イザナミ

 

イザナミは、まるでゾンビのような恐ろしい姿で迫ってきます。

 

イザナミ「行かせないぞ、イザナギ~!」

イザナギ「うわ~!くるな~!!」

 

慌てたイザナギ、また辺りを見まわすと、大きな岩がありました。

千人がかりでようやく動かせるという 千引の石(ちびきのいわ)です。

 

そんな大きな岩でしたが、ここは火事場の馬鹿力!

イザナギは岩を抱えると・・・

 

イザナギうお~~!!!

 

どし~ん!!!

 

黄泉平坂の道を塞いでしまいました!

 

神社の神様 イザナギとイザナミの黄泉の国 千引石

 

岩の向こうから、イザナミの声が聞こえます。

 

イザナミ「愛しいイザナミ。なんでこんなことするの・・・」

イザナミ「それなら、あなたの国の民を毎日1000人締め殺してやる!」

イザナギ「愛しいイザナミがそんなことするなら、僕は毎日1500の産屋(うぶや)を建てよう!」

 

そして、イザナギはなんとか黄泉の国を脱出したのでした。

 

こうして、イザナギとイザナミは永遠の別離を迎えたのです。

日本で初めての離婚ですね・・・

 

また、人間は毎日1000人死んで新たに1500人生まれるようになりました。

私たちは、イザナギの神力によってこの世に生まれ、イザナミの神力によって死ぬことになったのです。

 

その後、イザナミは 黄泉津大神(ヨモツオオカミ)と呼ばれるようになったそうです。

また、イザナギに追いついたことから、道敷大神(チシキノオオカミ)とも呼ばれます。

 

黄泉平坂を塞いだ千引きの岩は 道反之大神(ちがえしのおおおかみ)と名付けられました。

または 黄泉戸大神(ヨミドノオオカミ)ともいいます。

 

最後に、黄泉比良坂とは、今の出雲国の伊賦夜坂(いふやさか)のことです。

つづく

次の話:イザナギの禊ぎから生まれた神様たち

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